リスク回避とFRB・カナダ中銀の政策スタンスの乖離でカナダドル重く、米ドル/カナダドルは2025年高値圏へ

    by VT Markets
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    Jun 22, 2026

    USD/CADは週明けのアジア時間に底堅く推移し、1.4170~1.4175近辺で取引された。先週金曜の高値水準に近く、2025年4月以来の高水準となる。米ドルは、2025年5月以来の高値から小幅に押し戻された後も堅調さを維持しており、地政学的緊張の再燃が支えとなった。イランは米国とイスラエルが停戦合意に違反したと非難し、ホルムズ海峡を再び封鎖。さらに報道によれば、ドナルド・トランプ大統領の威嚇を受け、ワシントンとの協議も停止したという。リスク回避の強まりを受け、ドル買いが優勢となった。

    カナダドルは、国内成長の鈍化や、米連邦準備制度理事会(FRB)と比べてハト派的なカナダ銀行(BoC)姿勢を市場が織り込む中で、圧力が続いた。市場では、BoCが2026年後半まで政策金利を据え置くとの見方が優勢。一方、FRBの最新見通しでは年末時点の政策金利が3.8%とされ、今後数カ月で25bpの利上げが示唆されている。原油価格は、米・イランの暫定的な和平の脆弱さへの懸念から約2%上昇し、資源国通貨に一定の下支えを与えた。市場の注目は、この後月曜に発表予定のカナダ消費者インフレ指標へ移っている。

    地政学リスクとリスク回避で強まる米ドル

    地政学的緊張の高まりと、それに伴う安全資産志向を踏まえると、米ドル高基調は続くとみている。USD/CADは2025年初以来の高値圏を試しており、VIX(恐怖指数)は足元で15%超上昇して22を上回って引けたことから、リスクオフのセンチメントは当面継続しやすい。向こう数週間、USD/CADの押し目は買い場と捉えるべきだろう。

    背景にある主因は、FRBとBoCの政策スタンスの乖離拡大だ。米国とカナダの2年国債利回り格差は85bp超へ拡大し、2024年後半以来の水準となった。FRBが追加利上げを示唆する一方、BoCは据え置き観測が強い。金利差の拡大は米ドル保有の妙味を高め、USD/CADの上昇圧力として作用し続ける公算が大きい。

    弱いカナダ経済指標と原油高の下支え限定

    カナダ側では、直近データが景気の低迷を裏付けており、中銀のハト派姿勢を正当化している。先週発表の指標では、2026年4月のカナダGDPは前月比0.1%減と、2カ月連続のマイナスとなった。これにより、BoCはインフレより成長を優先するとの見方が強まる。こうしたファンダメンタルズの弱さは、カナダドル(ルーニー)にとって明確な弱材料となる。

    WTIが1バレル95ドル近辺で推移するなど原油高は通常、カナダドルを支える要因だが、今回は効果が限定的だ。市場環境は米ドル高とリスク回避が主導しており、2014~2015年のように、ドル高が原油高の影響を打ち消す局面は過去にも見られた。このため、原油高がUSD/CADの上昇トレンドを反転させるとは見込みにくい。

    本日予定されるカナダのインフレ指標について、市場予想は弱めの内容を示しており、カナダドル安の新たな材料となる可能性がある。低インフレとなれば、BoCの慎重姿勢が確認され、USD/CADは一段高となりやすい。こうした上昇モメンタムを取り込むため、7月・8月満期のUSD/CADアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)コールオプションを購入し、1.4300方向への上昇余地を見込む戦略を取っている。

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