ウォール街、原油安を受けて最高値更新 雇用統計とユーロ圏インフレに注目

    by VT Markets
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    May 29, 2026

    米国株式指数は過去最高値圏を一段と切り上げ、ダウ平均もS&P500種指数、ナスダック100指数に続いて最高値を更新した。これにより、ウォール街は月間で堅調な上昇となる見通しだ。一方、原油相場は月間で下落となる公算が大きい。ブレント、WTIはいずれも1バレル=90ドル近辺で推移しており、市場がホルムズ海峡が6月上旬に再開されるとの期待を織り込んでいることが背景にある。

    欧州では、フランスとドイツの消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回った。ただし、域内インフレは依然として欧州中央銀行(ECB)の目標を上回っている。市場の焦点は、来週公表される米国の雇用統計(非農業部門雇用者数)に移りつつあり、工場受注や製造業・サービス業の各種景況指標とあわせて、米景気の底堅さと米連邦準備制度理事会(FRB)の政策見通しを見極める局面となる。

    米テックの強気モメンタムと原油市場の力学

    AI主導の米株ラリーが力強いことを踏まえると、テクノロジーセクターに対しては強気姿勢を維持すべきだと考える。ナスダック100指数は今月に入って約8%上昇しており、最高値更新が続くなか、QQQなど主要テック指数に連動する商品でコールオプションを買うことは、さらなる上値余地に参加する手段となる。モメンタムは6月入りに向けても強いように見える。

    ホルムズ海峡の再開が見込まれることで、原油価格には明確な下押し圧力がかかっている。原油は先月まだ1バレル=100ドル超だったが、その後下落してきた。こうした環境を受け、原油先物に対するプットオプションに注目している。再開が確認されれば、価格は再び80ドル台半ばへ向かう可能性がある。原油オプションのインプライド・ボラティリティはすでに低下し始めており、市場が地政学情勢の落ち着きを織り込みつつあることを示唆する。

    イベントドリブン戦略と欧州見通し

    来週の米雇用統計(非農業部門雇用者数)は、短期的に市場全体へ最も大きな影響を与えうる材料だ。市場コンセンサスは雇用増が約19万人とされ、FRBが歓迎するような小幅な減速が見込まれている。結果が強すぎても弱すぎても大きく動く可能性に備え、S&P500種指数でストラドル(同一行使価格・同一満期のコールとプットの同時買い)を検討している。これはデータが上振れ・下振れのいずれでも、大きな値動きが生じれば利益機会となり得る。

    欧州ではインフレ環境の改善がみられる一方、ECBにとってはなお懸念材料であり、最新のユーロ圏インフレ率は2.8%となった。低下自体は好材料だが、中銀が早期利下げに踏み切るには十分ではない可能性が高い。そのため、欧州株指数のオプションは、方向性を狙う取引よりも主にヘッジ目的で活用している。

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