EUR/USDは金曜日に0.12%上昇し、米ドル安を背景に1.1664~1.1679近辺で推移した。原油価格は1.50%下落し、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は87.20ドル付近へ。米ドル指数(DXY)は0.17%低下して98.81となった。米経済指標ではシカゴPMIが62.7と、市場予想の50.5を上回った。ドイツのインフレ率はHICPベースで5月に前年比2.9%から2.7%へ減速した一方、コア率は2.3%から2.5%へ加速した。
FRB当局者は、ディスインフレの停滞および戦争関連の物価圧力が広がるリスクを指摘し、原油ショックの政策的含意にも言及した。テクニカル面では、EUR/USDは1.1666近辺に集まる50日・100日・200日単純移動平均線(SMA)を上回って推移しているとされ、上昇トレンドラインのブレイク領域は1.1582近辺とされた。RSI(14)は51.5。上値抵抗は1.1809近辺、より深い下値支持は1.1245が示された。
地政学と中銀スタンスの乖離が市場のボラティリティを左右
ここ数週間で米国・イラン核合意再建への期待が後退するなか、米ドルは堅調となっている。これによりEUR/USDには下押し圧力がかかり、足元では1.0755近辺で推移している。地政学的不確実性はブレント原油も1バレル=82ドル超へ押し戻し、前月までのトレンドを反転させた。
協議の停滞は典型的なリスクオフ局面を生みやすく、安全資産としての米ドルに追い風となる。歴史的にも、中東情勢の緊張が高まる局面では、ドル高とエネルギーコスト上昇が同時に進みやすい。こうしたパターンが当面続き、ユーロには向かい風となる可能性がある。
この構図は中銀見通しの違いによっても補強される。米インフレ指標は3.1%と粘着的で、FRBが近く利下げに踏み切る可能性は高くない。一方、ユーロ圏インフレは2.5%へ減速しており、ECBには相対的に柔軟性が生じやすく、共通通貨の重しとなり得る。
市場ポジションと通貨・商品における取引機会
不確実性の高まりを踏まえると、ボラティリティは過小評価されている可能性があり、オプション購入を検討すべき局面とみられる。VIX指数は依然として17と相対的に低い水準にあるものの、じりじりと上昇しており、市場がリスクを織り込み始めている兆候といえる。主要通貨ペアでストラドルやストラングルを組成し、値幅拡大に備えるのは妥当な戦略となり得る。
方向感を伴う見方としては、EUR/USDのプットオプション買いに機会がある。地政学リスクと金利差の組み合わせは、同ペアの一段安を示唆しやすい。ドル高を見込むポジションとして、権利行使価格1.06近辺の7月限プットをコスト効率の高い手段として注視している。
エネルギー市場では、緊張の再燃により原油価格には上値余地が残る可能性がある。供給途絶懸念を材料にWTI原油先物のコールオプションでの収益機会を検討している。具体的には、夏終盤の限月で権利行使価格85ドル超のコールを買うタイミングを探っている。
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