USD/JPYは、日本の財務省が160.00近辺での上昇を抑えるために過去最大規模の為替介入を実施した後、159.00を上回る水準で明確なトレンドを欠いた取引が続いている。4月28日から5月27日の期間に、同省は11兆7,350億円を買い入れ、過去最大の累計となったことで、160.00近辺に当局の事実上の上限(天井)を改めて印象付けた。
原油価格の反落は円にかかっていた圧力を和らげ、USD/JPYを155.00方向へ押しやる可能性がある。ただし、同水準を明確に下回る動きが持続するには、日銀の一段のタカ派化が必要となる公算が大きい。一方で、4月の基調的なCPI指標は鈍化した。
財務省による歴史的介入後はレンジ相場へ
USD/JPYは向こう数週間、堅調なレンジ相場にとどまるとみる。政府による過去最大の11.7兆円規模の介入は、160.00水準近辺に極めて強い上値の壁を築いた。こうした強硬な措置は、この水準を上回る動きに対して当局から強い売り圧力がかかることを示唆している。
この明確な上限を踏まえると、最も合理的な取引は、160.00以上の権利行使価格のアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)コールを売る、あるいは同水準以上をストライクとするベア・コール・スプレッドを組成することだろう。1カ月物オプションのインプライド・ボラティリティは、2026年4月下旬に12%超だった水準から足元では8.5%弱まで低下しており、上値余地が限られるとの市場認識を映している。この局面ではプレミアム売りが魅力的となる。
戦略:慎重な日銀スタンスと商品価格の軟化を背景にレンジ取引
155.00方向への下押し余地は、商品価格の軟化に支えられている。WTI原油は最近、1バレル=85ドルを3カ月ぶりに下回り、日本経済におけるインフレ圧力をいくらか緩和している。これにより円は小幅に下支えされ得るものの、大局的なトレンド転換に至る材料としては力不足だ。
155.00を大きく割り込むには、より踏み込んだ日銀の引き締めが必要になるが、短期的には想定しにくい。2026年4月の最新の「コアコア」インフレ率は1.8%となり、日銀の2%目標を依然下回るうえ、わずかな鈍化基調も示した。これにより日銀は、6月会合に向けても慎重姿勢を維持しやすい環境にある。
以上を踏まえ、基本戦略は、2022年や2024年の介入後局面と同様に、ボラティリティを売ってレンジを取りに行くこととなる。下方向への緩やかなドリフトに備える低コストの手段として155.00ストライクのプットを買い、同時に160.00の上限近辺でコールを売る。この組み合わせは、想定される横ばい推移からの収益獲得を狙う構造である。
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