独インフレ堅調でユーロは対ドル上値重く、焦点はECBの6月決定に

    by VT Markets
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    May 29, 2026

    ユーロは金曜日、対米ドルで上値の重い展開が続き、EUR/USDは過去2週間のレンジ内にとどまったまま、1.1660を上回れずに推移した。覚書(MOU)で示された米国・イラン停戦の60日延長はリスク選好を改善させたものの、合意は依然として両政府の批准を必要としている。ユーロ圏では、フランスの軟調な指標が目立ち、1-3月期GDPはマイナス成長となった。加えて、フランスとスペインのインフレ率は予想を下回った一方、欧州中央銀行(ECB)の目標である2%はなお上回った。ドイツでは4月失業率が予想外に低下し、イタリアの1-3月期GDPは伸びが加速した。

    市場の関心は、イラン戦争に伴うエネルギーショックを背景に3月・4月にかけて急伸した後を受け、木曜日後半に発表予定のドイツ5月HICP速報値に移っている。テクニカル面では、EUR/USDは1.1643で取引され、4時間足RSIは50を上回って推移し、MACDもわずかにプラス圏にあるが、強気反転を確かなものとするには1.1660の上抜けが必要だ。上方向では1.1720、その先は1.1790近辺がレジスタンスとなる。一方、下値は1.1625がサポートで、次いで1.1575、さらに1.1505–1.1525が意識される。

    ユーロ圏インフレと中銀見通し

    ユーロは重要な1.1660のレジスタンスを上抜けられず、足元のレンジに閉じ込められた状態が続いている。昨日発表されたドイツの5月インフレ速報は前年同月比2.6%と、予想をやや上回った。これにより、6月にECBが利上げに踏み切る可能性が高まった。ユーロ圏の基調的な物価圧力は、一部が期待していたほど速いペースでは沈静化していないとの見方を裏付ける。

    こうした環境では、今後数週間のブレイクアウトを見込み、強気のオプション・ストラクチャーを構築する妙味が増す。例えば、6月後半満期で1.1650行使のコールを買い、1.1750行使のコールを売るブル・コール・スプレッドが選択肢となる。この戦略は、リスクを限定しつつ、重要レジスタンス上抜け局面での上昇から収益機会を得やすい。

    米国指標、ボラティリティ、リスク管理

    一方で、米国の経済指標は総じて堅調で、最新の非農業部門雇用者数(NFP)は21.0万人増と底堅く、ドルの下支え要因となっている。ユーロが上抜けに失敗した場合、EUR/USDはレンジ下限に近い1.1575近辺を再び試す可能性がある。したがって、上昇失速に備え、この水準を下回る行使価格のプットを購入してヘッジを検討する必要がある。

    過去2週間のもみ合い相場により、EUR/USDオプションのインプライド・ボラティリティは相対的に低水準にとどまっている。6月ECB会合といったカタリストを控える中で、オプションが比較的割安となり、買いの環境が整いやすい。1.1660を明確に上抜ければボラティリティが急上昇する可能性があり、ロング・ベガ戦略には追い風となる。

    また、米国・イラン合意は依然として批准待ちであり、容易に崩れるリスクが残る点にも注意が必要だ。地政学リスク後退に伴うラリーは短命に終わり得る。2019年の貿易摩擦緩和局面で見られたように、何度も「肩透かし」が起こり得る。こうした潜在リスクは、デリバティブ・ポジションを明確に定義し、単一方向のシナリオに過度にレバレッジをかけない運用姿勢を支持する。

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