EUR/USDは金曜日のアジア早朝取引で1.1655前後へと小幅に上昇した。米・イラン間の停戦延長に向けた暫定的な進展が報じられ、ユーロが堅調となったためだ。CNNによると、双方はホルムズ海峡の再開や核協議の開始について協議したという。ただし、ドナルド・トランプ米大統領はまだいかなる合意案も承認しておらず、イラン当局者からのコメントも伝わっていない。市場はまた、金曜日中に発表予定のドイツの速報インフレ指標を待っている。
米国では、個人消費支出(PCE)物価指数の前年比が予想通りだった一方、前月比の弱い伸びが物価圧力の緩和観測を強めた。これにより、FRBがより長く政策金利を据え置くとの見方が意識されやすい環境となっている。ユーロは世界の為替フローの中核であり、2022年には取引の31%を占め、平均日次取引高は2.2兆ドル超。EUR/USDは全取引の約30%を占めると推定される。主要なユーロクロスでは、EUR/JPYが4%、EUR/GBPが3%、EUR/AUDが2%。欧州中央銀行(ECB)は20カ国からなるユーロ圏の金融政策を担い、インフレ率2%を目標に年8回会合を開催している。
リスクセンチメントの転換と中央銀行スタンスの乖離がユーロを下支え
当社は、世界的なリスクセンチメントの明確な転換と中央銀行に対する見方の変化を背景に、ユーロが米ドルに対して強含むとみている。米中間の貿易摩擦が緩和に向かう兆しは、投資家が「安全資産」としての米ドルから距離を置くことを後押ししている。こうした局面は一般に、ユーロを含むリスク資産に追い風となる。
米国の経済指標もこの見方を支える。4月の消費者物価指数(CPI)はインフレ率が2.9%へ鈍化し、予想をわずかに下回った。これに加え、雇用市場の軟化がみられることから、FRBは年内に利下げを検討せざるを得なくなるとの見立てを強めている。市場では、9月までにFRBが利下げに踏み切る確率が70%超と織り込まれている。
一方、ユーロ圏では状況が異なり、インフレの粘着性が続いている。直近のHICP(消費者物価指数の調和指数)は2.6%で横ばいだった。この粘着性を踏まえると、ECBはFRBよりも長く現行の金利政策を維持する可能性が高い。金融政策の乖離拡大は、ドルに対するユーロ高の強力なドライバーとなる。
政策乖離を背景にEUR/USDの上昇余地を狙う
今後数週間、当社はEUR/USDの続伸を想定したポジショニングを行う。下方向のリスクを管理しつつ上昇トレンドからの収益機会を狙う手段として、ユーロのコールオプションを買う戦略が有効と考える。想定される金融政策の乖離から恩恵を受けやすい。
過去を振り返ると、ECBに先行するFRBの緩和局面は、EUR/USDの大きく持続的な上昇につながってきた。足元では、ドイツやフランスの企業景況感調査が改善していることも、当社のこの取引に対する確信を一段と強めている。
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