米エネルギー情報局(EIA)のデータによると、天然ガス在庫は5月22日までの1週間で920億立方フィート(Bcf)増加した。前週の増加幅は1,010億立方フィートだった。
増加ペースの鈍化は、直近の報告期間における貯蔵への注入ペースが低下したことを示唆する。今回の更新は在庫変動に焦点を当てており、最新の積み増しは前週比で90億立方フィート少なかった。
Current Inventory Levels and Market Conditions
最新の注入量が前週より小さかったとはいえ、920億立方フィートという積み増しは、需給が引き続き緩い(供給過剰気味の)市場環境を示すサインとみている。これは当該週の5年平均(890億立方フィート)をわずかに上回り、総在庫を押し上げた。在庫水準は現在2,703Bcfで、過去平均を22%超上回っている。
価格の重しとなっている主因は、衰えない生産だ。米国のドライガス生産は日量約102Bcfという高水準近辺で推移している。この強い供給が、当面は大幅な価格上昇を抑え込んでいる。結果として、ヘンリーハブ先物は目先、概ね3.00ドル/MMBtuを下回るレンジ相場が続くと見込む。
Outlook, Potential Bullish Catalysts, and Trading Strategy
もっとも、今後数週間でボラティリティを高め得る強気材料を2点注視している。LNG輸出需要は引き続き非常に強く、液化基地向けフィードガス供給はおおむね日量13.5Bcfを上回って推移している。さらに重要なのは、NOAA(米海洋大気局)の初期予報が、6月前半にかけてテキサスおよび米南部で平年を上回る気温を示唆している点で、冷房需要が例年より早く立ち上がる可能性がある。
供給過剰基調にある一方で需要増が視野に入るなか、こうした環境から収益機会を得る戦略を検討している。夏場の高ボラティリティ期待を背景に、7月限の3.50ドル・コールなどアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)のコールオプションを売ってプレミアムを獲得する戦略を考えている。このポジションは、短期的に価格がもみ合う、あるいは大きく上抜けしない場合に有利となる。
今後数週間の注目点は、日次の発電向け需要(パワーバーン)データと、6〜10日先の気象予報の更新だ。大規模で持続的な熱波が発生すれば、在庫の上振れ余地が急速に縮小し、現状の弱気見通しが揺らぐ可能性がある。また、次回以降2回のEIA統計を確認し、注入量が5年平均を下回り始めるかどうかを見極める。
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