ABN AMROは、イングランド銀行(BoE)の金融政策委員会(MPC)が夏場に、いわゆる「保険」として追加で1回の利上げを実施すると見込む。ただし、その見立てに対する確信度は従来より低下したという。同行は、3月会合におけるタカ派的なコミュニケーションと比べ、足元でよりハト派寄りのトーンへとシフトしている点を指摘し、利上げ局面が成熟するにつれて政策ガイダンスが軟化しているとの見方を示す。
仮にその利上げが実施された後は、エネルギー供給が第3四半期(Q3)にかけて徐々に正常化することを背景に、ABN AMROは様子見姿勢への回帰を想定する。政策金利(Bank Rate)はすでに「景気抑制的(restrictive)」と表現されていることから、利下げ再開は2026年末までずれ込むと予測。「最後の利上げ→一時停止→長期の引き締め維持→その後に緩和開始」という経路を描いている。
MPC’s Tone Softens as Policy Nears a Turning Point
MPCは、年初に見られたより攻撃的なスタンスから距離を置き、慎重なトーンへと移行している。直近のデータでインフレ率が4月に3.5%へ低下したことは、政策金利のピークが目前にあるとの見方を補強する。これは、現在市場が8月までに25bp(0.25%)の利上げを織り込んでいる状況が、やや強気すぎる可能性を示唆する。
依然として夏場に「保険」の最終利上げが1回ある方向をメインシナリオとするものの、確信は低下している。ABN AMROは、ボラティリティ低下から収益化するデリバティブ取引、例えば秋限のSONIA先物を用いたストラングル売りが有効になり得るとみる。この戦略は、最終的な一手の後に中銀が長期の据え置き局面に入る、という見立てから恩恵を受ける。
Rate Cut Timing and Investment Strategies
より先を見据えると、焦点は利下げ開始時期へと移る。第1四半期(Q1)のGDP成長率が0.1%と停滞したことを踏まえると、現行政策の引き締め度合いは、市場の想定より早くBoEに政策転換を迫る可能性が高い。ABN AMROは、2026年末からの利下げ開始を見込むポジションに妙味があるとする。
具体的には、フォワード・スタート型の金利スワップを通じ、2027年初から始まる一定期間について固定金利を受け取る(レシーブ・フィックス)契約を提案する。歴史的に、英国の景気見通しが悪化すると、BoEは当初予想より速いペースかつ深い幅で利下げに踏み切ることが多い。こうした点は、市場が完全に織り込む前に政策転換を見越してポジション構築を進めることが、合理的な選択となり得ることを示している。
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