木曜日のアジア時間、英ポンドは対米ドルで1.3400近辺へ下落した。米国・イラン間の緊張再燃を背景にドル需要が支えられたほか、この日の後半に発表予定の米4月PCE価格指数を前に警戒感も強まった。ロイターによれば、米軍は米軍部隊および商業航行への脅威になり得るとされる地点を標的に、イランで新たな攻撃を実施した。一方、ワシントンは今回の行動を「抑制的で防衛的」であり、停戦維持を目的としたものだと位置づけた。
ドナルド・トランプ氏は水曜日、イランとの戦争終結に向けた合意を望むと述べ、「中間選挙など気にしていない」と付け加えた。紛争リスクがくすぶるなか、GBP/USDは英国金融政策の見通し再評価も重なり、追加の下押し圧力を受けた。インフレ指標の伸びが鈍化したことを受け、英中銀(BoE)の利上げ観測は後退。さらに4月失業率が予想外に5.0%へ上昇したこと、政治面の懸念が緩和していることも背景にある。パンテオン・マクロエコノミクスは、トレーダーが織り込む2026年の利上げ回数は先週末時点から1回分減少したと指摘。英国債利回りは2023年末以来の週間最大下落となり、原油安、キア・スターマー首相が交代するとの賭け市場の確率低下、アンディ・バーナム氏の現行財政規律へのコミットメントを要因に挙げた。
地政学的緊張と米ドルの安全資産需要
英ポンドには軟化が見られ、GBP/USDは1.2500近辺で上値の重い展開が続いている。中東で地政学的緊張が再燃し、米ドルの安全資産としての魅力が高まっている。市場の焦点は、金曜日に発表される米4月個人消費支出(PCE)価格指数に移った。
世界的な不確実性が強まるなか、米ドルは「質への逃避(フライト・トゥ・セーフティ)」の受け皿として上昇している。この力学は、ウクライナ紛争の初期局面などでもドルを押し上げた経緯がある。トレーダーは、主要通貨ペアでストラドルを購入するなど、ボラティリティ上昇から利益を得る戦略を検討すべきだろう。
今週のPCEインフレ指標は重要で、コア指数はFRB目標をなお上回る水準(概ね2.8%)にとどまる見通しだ。インフレが上振れすれば、FRBの「高金利を長期に維持(higher for longer)」とのスタンスが補強され、ポンドなど他通貨に対するドル高圧力が一段と強まる可能性がある。
英中銀政策の不確実性とGBP/USD見通し
英国側では、直近データが英中銀(BoE)の見通しを複雑にしている。総合インフレ率は2.3%へ低下した一方、サービスインフレは粘着的で、最新の失業率は4.3%へ小幅上昇した。これによりBoEは難しい判断を迫られ、想定していた利下げ計画を先送りせざるを得ない可能性がある。
その結果、過去1か月で市場が織り込む2026年のBoE利下げ見通しは大きく縮小した。トレーダーが金融政策の道筋を再評価するなか、英国債利回りの変動は大きくなっている。この不確実性はポンドの明確な逆風となる。
タカ派寄りのFRBと慎重姿勢のBoEというコントラストを踏まえると、GBP/USDにはさらなる下値余地があると見込まれる。トレーダーは、権利行使価格1.2450および1.2400近辺のGBP/USDプットオプションの購入を検討すべきだろう。今後数週間の下落に備えるうえで、コストが限定された形でポジションを構築できる。
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