RBA利上げ観測後退で豪ドル/米ドルが下落、FRBのタカ派姿勢が米ドルを押し上げる

    by VT Markets
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    May 28, 2026

    AUD/USDは3日続落となり、アジア時間には0.7130近辺で推移し、前日の週安値をわずかに上回る水準を維持した。豪ドルは、豪準備銀行(RBA)による追加引き締め期待が後退する一方で米ドルが強含むなか、上値が重い。豪インフレは鈍化しており、4月の総合CPIは前年比4.2%と、3月の4.6%から低下。失業率の上昇や雇用者数の減少といった弱い労働指標に続く内容となり、市場では6月のRBA利上げ観測がほぼ織り込まれなくなりつつある。

    地政学リスクも米ドル(グリーンバック)を下支えした。米国によるイラン領内への攻撃が軍事施設を標的にしたほか、米軍がホルムズ海峡付近で複数のイラン製ドローンを撃墜したと伝わったためだ。原油は小幅に反発し、インフレ懸念を再燃させて米金利高観測を補強した。CME FedWatchでは12月利上げ確率がおよそ50%、1月は60%と示された。こうした環境のもと、米ドル指数(DXY)は週高値を更新。市場は次の手掛かりとして米国の速報GDPやPCE価格指数の発表を注視している。

    中央銀行の政策乖離とAUD/USDの弱気見通し

    AUD/USDへの下押し圧力が続くなか、今後数週間は下方向への「抵抗が最も小さい」展開が続くとみる。鍵となるのは中央銀行の政策スタンスの乖離で、RBAは明確に様子見姿勢である一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は依然としてタカ派的だ。このファンダメンタルズ環境は、通貨ペアの弱気見通しを支える。

    データも見方を裏付ける。豪州の直近の四半期CPIは前年比3.8%となり、RBAの引き締め局面が終了したとの見方を強めた。さらに先月、失業率は4.1%へ小幅上昇し、中銀が追加利上げを検討する材料は乏しい。これは米国の状況と対照的である。

    米国では先週、FRBが重視するインフレ指標であるコアPCE価格指数が前年比2.8%となり、2%目標をなお頑強に上回っている。その結果、CME FedWatch Toolは、9月会合までに少なくとも1回の25bp利上げが行われる確率を70%と示している。中東の地政学的緊張が継続していることも、米ドルの安全資産としての地位を下支えしている。

    デリバティブ戦略と主要イベントリスク

    デリバティブ取引の観点では、AUD/USDのアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)プットオプション買いは、追加下落に備えるうえでリスク・リワードが良好な戦略と考える。心理的節目である0.7000近辺の行使価格を狙い、テーマの進行に時間を与えるため満期は7〜8月のゾーンを想定する。期待される下方向を、損失限定で取りに行ける点が利点だ。

    不透明感の高まりを背景にインプライド・ボラティリティはじわり上昇しており、ロングオプションはコスト増となる一方、値動き拡大の可能性も示唆している。よりコスト効率を重視するなら、ベア・プット・スプレッドも選択肢となる。具体的には、0.7100といった行使価格のプットを買い、0.6950などより低い行使価格のプットを売って、支払プレミアムを抑える構成だ。

    弱気スタンスに対する主なリスクは、今後の豪雇用統計や貿易関連指標が想定以上に強く、RBAにタカ派的な再評価を迫る展開である。歴史的にみても、RBAとFRBの政策乖離がこの水準に達した局面は、通貨ペアの持続的な下落に先行することが多い。2022年にも同様の力学が働き、数カ月にわたる下落につながった経緯があり、今回も同パターンが再現される可能性がある。

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