米国・イラン巡る主張否定で金は3カ月ぶり安値、米PCE控えドル堅調

    by VT Markets
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    May 27, 2026

    金は水曜日も下押し圧力が続き、XAU/USDは日中安値が4,400ドル近辺まで沈んだ後、4,440ドル前後で推移した。これは3月30日以来の安値水準となる。イラン国営テレビは、テヘランとワシントンがMOU(覚書)に向けた初期の非公式枠組みを準備したと報じ、同枠組みでは米軍がイランから撤退し海上封鎖を解除する一方、イランはホルムズ海峡の商業通航を1カ月以内に戦前水準へ回復させるとしていた。その後、米国は報道を「完全な捏造」として否定し、ドル買い戻しを誘発。トランプ氏が閣議を開く中、米ドル指数(DXY)は欧州時間に一時99.00を割り込んだものの、99.20近辺で推移した。

    原油関連のインフレリスクがFRB(米連邦準備制度理事会)の引き締め姿勢観測に焦点を当てさせる一方、米国の底堅い成長と粘着的なインフレが重なり、金の地合いは脆弱なままだ。市場は木曜日の米PCE(個人消費支出)統計と、追加のFRB要人発言を待っている。テクニカル面では、XAU/USDは下側ボリンジャーバンド近辺の4,422ドルをわずかに上回る水準に位置し、20期間SMA(単純移動平均)である4,594ドル付近が上値を抑制。RSIは37近辺、ADXは22近辺。レジスタンスは4,594ドル、次いで4,767ドル。サポートは4,422ドル、その下に4,350ドル、4,100ドルが意識される。

    近況見通しはヘッドラインリスクとボラティリティ戦略が主導

    金は米国・イラン情勢に関するあらゆるヘッドラインに反応しており、短期見通しは不確実性に左右されている。相反する報道が大きなヘッドラインリスクを生み、目先は単純な方向性の賭けが危険になりやすい。われわれは、明確なトレンドに乗る戦略よりも、ボラティリティを前提とした戦略が機能しやすい局面とみている。

    インフレ、FRB政策、戦術的なオプション活用

    より大きなテーマは、エネルギー高を背景に強まるインフレ圧力だ。最新のPCEではコアインフレ率が前年比3.8%と高止まりし、FRBの目標を大きく上回った。この粘着性の高いインフレは、FRBが利下げを急がないとの見方を補強する。

    政策金利(FF金利)が引き締め的な5.50%で維持される中、無利息資産である金の保有コストは高い。FF金利先物市場では今後3カ月の利下げ確率は20%未満が織り込まれており、ドル高を下支えしている。こうしたファンダメンタルズ面の圧力は、今後数週間にわたり金価格の重しになり得る。

    このため、4,422ドルのサポートを割り込む局面では下方リスクに備え、プット(売る権利)の購入で下落局面のエクスポージャーを得る戦略を検討している。この手法は、最大損失を限定しつつ4,350ドル近辺への下落で利益を狙える。弱気見通しの初期コストを抑える目的で、ベア・プット・スプレッドの活用も選択肢となる。

    ただし、突発的な和平合意が成立すれば、(一時的である可能性はあるが)急騰を招き得る。この二者択一のリスクに対応するため、コールとプットを同時に買うストラドルも検討している。ホルムズ海峡を巡る情勢が決定的に解決へ向かえば、どちらかの方向に大きく動く可能性があり、ストラドルはその値動きの大きさから収益機会を得る。

    同様のパターンは過去にも見られ、例えば2022年のウクライナ紛争初期には地政学リスクで金が急伸した後、市場の焦点が中銀の積極的な利上げに戻ると下落に転じた。和平主導の上昇局面も、根底にあるタカ派的な金融政策によって同様の逆風に直面し得る。当面は4,350ドルの「テクニカルな床」を注視しており、この水準を明確に割り込めば、より強い弱気局面入りが確認されるとみている。

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