豪ドルは対円で0.14%上昇し、リスク選好の強まりを背景に円の「安全資産」需要が後退した。AUD/JPYは執筆時点で114.17近辺で推移し、日中安値113.78を付けた後に持ち直した。
上昇トレンド自体は維持されているものの、円を下支えする目的の為替介入観測が上値を抑えている。上値では年初来高値の114.74がレジスタンスで、これを上抜ければ115.00が意識される。さらに115.00を明確に突破すれば115.50、次いで116.00が視野に入る。RSIは強気圏を維持しているが横ばい気味で、モメンタムの鈍化を示唆する。一方、下値の注目水準は114.00、次いで20日移動平均線(113.63)、その先に50日移動平均線(112.77)が位置する。
ファンダメンタルズの強さは維持、ただし慎重姿勢
豪ドルは良好な市場センチメントを背景に対円で底堅さを保ち、114.17近辺で取引されている。足元の上昇トレンドは魅力的だが、警戒を要する水準に近づきつつある。抵抗の少ない方向はなお上方とみる一方、急激な反転リスクは高まりつつある。
豪ドル高を支えるのは堅調なファンダメンタルズだ。2026年1-3月期の豪CPIは3.8%と予想をやや上回り、豪準備銀行(RBA)のタカ派姿勢を維持させる内容となった。また、鉄鉱石価格は過去1カ月にわたり1トン当たり115ドル超で安定しており、豪経済および豪ドルを支える重要な柱となっている。こうした環境下では、ファンダメンタルズ面だけを理由にAUD/JPYを売り向かう妙味は乏しい。
ただし、日本当局による介入リスクには強い警戒が必要だ。特に年初来高値114.74に接近する局面では注意が要る。2024年4月と5月には、円安が同様の心理的節目を超えて進行した局面で当局介入が入り、円が急伸した経緯がある。これらは、財務省が必要と判断すれば機動的かつ断固として行動することを示す強い前例となっている。
戦略:上昇取りはコール、防御はプット
こうした環境を踏まえ、当社は緩やかな上昇基調の継続からの収益機会を狙いつつ、急落への備えを組み合わせる構成とする。具体的には、権利行使価格115.00以上のコールオプションの購入を提案する。これにより、上昇余地へのエクスポージャーを確保しつつ、リスクは限定された形となる。介入に脆弱なスポットポジションに大きな資金を投じることなく、上昇トレンドに参加できる。
主たるリスクへのヘッジとしては、114.00のサポートをやや下回る水準のプットオプションも購入する。これらのプットは保険として機能し、日本当局の介入でAUD/JPYが急落した場合に価値が上昇する設計だ。上昇局面を追いながらも、公的措置による大幅下落リスクを管理できるバランス型のアプローチとなる。
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