AUD/USDは火曜日、米ドルが強含む中でも狭いレンジ内で推移した。米国がイラン南部で新たな攻撃を行ったことを受け、中東情勢の緊張がリスクセンチメントを圧迫したためだ。相場は0.7162近辺で取引され、前日比0.14%安。市場は軍事面の進展と、ワシントン—テヘラン間の外交継続をにらみつつ綱引きとなった。
焦点は水曜日に発表される豪インフレ指標へ移っている。エネルギー価格を背景に短期のインフレリスクが意識される中、3月のCPIは前年比4.6%上昇だった。4月は4.4%へ小幅鈍化が予想され、RBA(豪準備銀行)が重視するトリム平均CPIは3.3%から3.4%へわずかに上昇すると見込まれている。直近の雇用統計は利下げ観測を後押しし得る内容で、4月の失業率は4.5%へ上昇、雇用者数増減は▲1.86万人と、市場予想(+1.75万人)を下回った。テクニカル面では、同通貨ペアは0.7100〜0.6800付近に位置する50日・100日・200日SMAを上回る水準を維持。RSIは51近辺、MACDはゼロをわずかに下回る。上値抵抗は0.7200、下値支持は0.7100、0.7035、0.6803。
マクロ要因、市場センチメント、RBA見通し
AUD/USDは0.6650近辺で狭いレンジ取引が続いており、米ドルはFRBの利下げ・据え置き経路に関する不透明感が根強いことから下支えされているとみる。米国の経済指標が強弱まちまちで、市場は見極め姿勢を強め、同通貨ペアは方向感を欠く「待機」局面にある。このため、目先で明確なトレンドが形成されにくい。
RBAの金融政策を左右する主要要因として、豪インフレ動向を注視している。最新の月次CPI(2026年4月)は前年比3.8%上昇と、予想をやや上回り、物価圧力の粘着性を示した。この結果は、RBAが政策金利を4.35%で長期にわたり据え置く可能性が高いとの見方を支える。
一方で、豪労働市場には減速の兆しがあり、RBAの見通しを複雑にしている。直近では4月の失業率が4.1%へ小幅上昇し、雇用増加ペースも過去から鈍化している。インフレの粘りと雇用の軟化という綱引きが、足元の方向感の乏しさにつながっている。
AUD/USDのボラティリティと取引戦略
値動きが小さい局面は、インプライド・ボラティリティが相対的に低位となっている可能性を示唆し、デリバティブ取引に機会をもたらす。ストラドルやストラングルといったロング・ボラティリティ戦略の構築が有利となり得る。これらは、次の主要指標(例えば7月下旬公表予定の4〜6月期CPIなど)を受けた上下どちらかへの大きな変動から収益機会を狙える。
チャート上は、0.6700近辺に重要な上値抵抗があり、当面の下値支持は50日移動平均線の0.6620付近に位置する。例えば0.6700を上回る行使価格のコール、あるいは0.6600を下回る行使価格のプットを買うなど、これらの水準を起点にした戦略設計が考えられる。狙いは、現状の持ち合いレンジからのブレイクアウトに備えることだ。
一方、今後数週間にわたりレンジ相場が続くと見る場合には、オプション・プレミアムの売りも選択肢となる。想定レンジ(0.6600〜0.6700)の外側にショート・ストライクを置いたアイアン・コンドルは、値動きの乏しさから収益(プレミアム)獲得を狙える。ただし、サプライズ材料により相場が想定境界を超える場合のリスクを伴う。
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