中東情勢リスクでドル底堅い 豪インフレ指標控え、原油・金は反落

    by VT Markets
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    May 27, 2026

    米ドルは火曜日、月曜日の下落を巻き戻して落ち着きを取り戻した。米国・イランの和平合意をめぐる不透明感や、ホルムズ海峡の再開通の可能性が意識され、安全資産需要が下支えした。米ドル指数(DXY)は99.00を上回り、2日ぶりの高値を付けた。水曜日はMBA住宅ローン申請件数とADP雇用者数(週次)が予定されているほか、FRB当局者のローガン氏とクック氏が講演する見通し。

    G10通貨では、EUR/USDが1.1600付近へ反落。月曜日の上昇が一服する中、ECBは金融安定報告(FSR)の公表を控える。GBP/USDは1.3500超で上値抵抗に直面して反落し、英国の経済指標カレンダーは材料難。USD/JPYは日銀の植田総裁の発言を控え、159.30近辺の数週間ぶり高値へ上昇した。AUD/USDは0.7170前後でもみ合い。豪州では重要なインフレ指標に加え、建設工事完工高の発表とRBAのヒューソン氏の講演が予定される。WTIは1バレル=89ドル近辺へ下落し、水曜日にはAPIによる米週間原油在庫が公表される。一方、金は2日ぶり安値へ下落し、再び1トロイオンス=4,500ドルを試した。

    米ドル上昇、市場ボラティリティ、重要イベント

    当方は、米ドル高を中東における地政学リスクの高まりに対する直接的な反応とみている。安全資産志向の強まりがドル指数を99.00水準へ押し上げている。市場の恐怖感を測る代表的な指標であるCBOEボラティリティ指数(VIX)もこの神経質さを映し、足元では年初来安値圏から14.5へと持ち直している。

    当方は、明日発表予定の重要なインフレ報告を受け、豪ドルで大きな値動きが生じる可能性を見込む。豪州の前回四半期インフレ率は3.6%と高止まりしており、再び高い数字となればボラティリティが大きく高まる恐れがある。方向性にかかわらず値幅取りを狙う手段として、AUD/USDのストラドルやストラングル(オプション)の買いは有効な戦略と考える。

    通貨パフォーマンス、原油・金市場の反応

    円の持続的な弱さは、米国と日本の金利差の大きさに主因がある。FRBが政策金利を5%超で維持する一方、日銀はゼロ近傍にとどまっており、USD/JPYの基調は引き続き上方向に傾きやすい。もっとも、160.00水準に接近する局面では、日本当局による口先介入や実弾介入のリスクに警戒が必要だ。

    WTI原油が足元で1バレル=90ドルを割り込んでいる弱さについては、ホルムズ海峡の再開通につながり得る外交的打開への期待が直接の背景にあるとみる。これは、EIAが報告した先週の米原油在庫の140万バレル減といった直近のファンダメンタルズ要因を上回って織り込まれている。海峡の再開通が確認されれば、価格の一段安を誘発し得るため、短期のプットオプションは興味深いヘッジになり得る。

    地政学ニュースにもかかわらず金が上昇できないことは、足元で強い米ドルと高金利がいかに強力かを示している。米10年国債利回りが4.45%前後で高止まりする環境では、利息を生まない金の保有コストが投資家にとって重い。当方は、ドル指数が99.00を上回って推移する限り、金は上値の重い展開が続くと見込む。

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