金(XAU/USD)は火曜日、米ドルと原油が反発する中で下落した。米国がイラン南部で攻撃を再開し、中東戦争の早期終結への期待が後退したことが背景にある。金は一時高値4,580ドルから押し戻され、4,525ドル近辺で取引された。米中央軍は、ホルムズ海峡付近で機雷を敷設しているとされるミサイル拠点やイラン船舶を標的とした「防衛的攻撃」を実施したと発表。一方、イラン革命防衛隊(IRGC)は、米無人機MQ-9リーパーがイラン領空に侵入したとして撃墜したと報告した。イラン外務省はIRIBが伝えた声明で、米国がホルモズガーン州の停戦に違反したと非難し、テヘランは対応するとした。
停戦を60日延長しホルムズ海峡を再開する可能性を含む合意に向けた外交努力は継続しており、イラン核開発計画を巡る協議も続いている。マルコ・ルビオ米国務長官は交渉が「数日かかる可能性がある」と述べた。金は金利見通しの引き締まりにも抑えられており、原油高が米国のインフレ鈍化を妨げ、物価をFRB(米連邦準備制度理事会)の2%目標から遠ざけている。CMEのFedWatchによれば、市場は12月にFRBが25bp利上げする確率を約40%織り込む。今後は木曜日のPCE(個人消費支出)価格指数、さらに5月のコンファレンス・ボード消費者信頼感指数の発表が控える。テクニカル面では、XAU/USDは50期間および100期間のSMA(単純移動平均)を下回り、RSIは44前後、ADXは18近辺。上値抵抗は4,544ドル、次いで4,608ドル、4,800ドル。下値支持は4,500ドルと4,350ドルが意識される。
地政学、インフレ、金価格の逆風
イランでの軍事行動再燃を受けて米ドルと原油価格が押し上げられ、金は上値の重い展開となっている。こうした力学は金に逆風となり、一時高値4,580ドルから下押し圧力が強まった。中東情勢の早期沈静化に対する市場の期待は薄れており、トレーダーの警戒感が続いている。
ブレント原油が1バレル=95ドル台を回復したことは、FRBにとってインフレ判断を一段と難しくする。先月のコアPCEインフレ率が3.1%だったことは、2%目標までなお距離があることを示し、「高金利の長期化」スタンスを裏付ける。結果として、CME FedWatchツールは次回FOMCでの利下げ確率が15%にとどまることを示している。
取引戦略とテクニカル水準
こうした圧力を踏まえ、向こう数週間にかけて金価格の停滞ないし下落で利益を狙う戦略が検討される。4,500ドルのサポートを下回る行使価格のプットオプション購入は、続落局面に備える明確な手段となる。レンジ相場を想定する向きには、4,608ドルのレジスタンスを上回るアウト・オブ・ザ・マネーのコールオプション売りでプレミアム獲得を狙う戦略も有効になり得る。
もっとも、情勢は流動的であり、エスカレーションが起きれば安全資産への逃避で金が急伸する可能性もある。これは2020年初頭、地政学的な上昇があっても最終的にはFRB政策が相場を支配した局面を想起させる。したがって、急反転に備えてベア・コール・スプレッドなどでリスクを限定する戦略が有用となる。
4,500ドルは重要な下値の支持線として注視され、明確に下抜ければ弱気モメンタムを確認するシグナルとなる。本日発表されたコンファレンス・ボード消費者信頼感指数の弱い数値(99.5)もセンチメント悪化に拍車をかける。50期間移動平均の4,544ドルを上抜けられない戻り局面は、新たな弱気ポジション構築の機会とみなされる。
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