金は4,580ドルを下回る水準でもみ合い ドル高とFRBのタカ派観測が重し

    by VT Markets
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    May 26, 2026

    金(XAU/USD)は欧州序盤も軟調地合いが続き、日中安値近辺で推移。米ドル買いが再び強まるなか、4,580ドル水準の回復に再度失敗した。米・イラン和平の可能性をめぐる強弱入り混じったシグナルを受け、地政学的不透明感が安全資産需要を下支え。一方、原油が小幅に反発したことでインフレ懸念が再燃した。これらの組み合わせはFRBのタカ派見通しを後押しし、利回りを生まない金の重しとなっている。CMEグループのFedWatchツールでは、市場が2026年に少なくとも1回の米利上げを織り込みつつあることが示されている。

    中央軍(CENTCOM)に言及した報道によれば、米軍は月曜日、イラン南部で自衛目的の攻撃を実施し、ミサイル発射拠点や機雷設置を試みたボートを標的にした。イランの核開発計画およびホルムズ海峡をめぐる緊張は依然続いている。イランは衝突開始以降、湾岸地域の海上輸送のほぼ全てを事実上停止させており、世界の原油供給のおよそ20%が制約されている。さらに、米国によるイラン港湾の封鎖も背景に、原油は2週間ぶり安値から反発した。テクニカル面では、金は4時間足の100期間EMAを下回って推移。上値抵抗は4,580ドル、その上は4,593.73ドル。MACDはプラス圏を維持し、RSIは47近辺。下値支持は4,490~4,485ドル、続いて4,450ドル付近に見られ、木曜日予定の米PCE・GDPの発表を前に重要水準となる。

    ファンダメンタルズと地政学が支える弱気見通し

    当社は、足元の金への下押し圧力は、今後数週間における弱気方向のデリバティブ取引に明確な機会を提供していると考える。地政学的緊張とFRB利上げ観測の双方に支えられた米ドル高が主因だ。米ドル指数(DXY)は過去2週間で既に1.5%超上昇し、足元では106.20近辺で取引されており、この流れは継続すると見込む。

    中東の紛争激化は原油市場に直接影響し、結果としてインフレ懸念を押し上げている。イランが世界の原油供給の約20%を混乱させるなか、WTI原油は1バレル=95ドルを上回る水準まで急反発し、3月以来の高値圏に戻った。過去の類似したエネルギー価格ショックは、FRBに積極的な対応を迫ってきた経緯があり、今回も同様の展開を想定してポジションを構築している。

    金下落局面を想定したデリバティブ戦略

    市場ではFRBのタカ派化への賭けが強まりつつあり、利回りを生まない資産である金には逆風となる。CMEのFedWatchツールでは、9月会合までに25bpの利上げが行われる確率が65%と示され、1カ月前の40%から上昇した。当社は、今週木曜日のPCEインフレ指標を、こうした見通しを固め、金価格の次の下落局面を引き起こし得る重要な材料と位置付けている。

    4,580ドル近辺には強いテクニカル抵抗があるため、追加下落を取り込むデリバティブ戦略を検討している。下方ブレイクに備え、4,500ドルおよび4,450ドルの支持帯近辺を行使価格とするプットオプションの購入を視野に入れる。また、弱気のファンダメンタルズ環境が維持される間、4,600ドルを十分上回るストライクでコール・スプレッドを売却し、プレミアムを獲得する戦略も魅力的に見える。

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