米ドル指数(DXY)は火曜日、前日に1週間ぶりの安値へ下落した分の一部を取り戻し、再びプラス圏に戻った。欧州時間序盤は小幅高を維持し、99.00をわずかに上回る水準で推移。上昇率は日中で0.10%超となった。米・イラン和平合意への期待は、米軍が月曜日にイラン南部で「自衛」として、ミサイル発射拠点や機雷敷設を試みていたとされるボートを標的に攻撃を行ったとの報道を受け後退した。イラン核開発をめぐる対立やホルムズ海峡をめぐる緊張が地政学リスクを高止まりさせ、安全資産としてのドルを支えた。一方、原油価格は2週間超ぶり安値から小幅反発し、インフレ懸念が再燃。FRBがよりタカ派姿勢を維持するとの見方を補強した。
テクニカル面では、DXYは200期間指数平滑移動平均線(EMA)の98.88近辺で下げ止まり、高98.00台で暫定的な底打ちを示唆する。ただし、戻りは23.6%フィボナッチ・リトレースメントを下回ったところで失速している。モメンタム指標はまちまちで、MACDはわずかにマイナス、RSIは47近辺。上値抵抗は99.54、下値支持は99.08が意識される。98.88を割り込めば、98.80、98.58、98.35が視野に入り、さらに下方では98.03、97.62が次の目処となる。
マクロ面の緊張とドルの安全資産フロー
米ドル指数は99.00近辺で下げ渋り、米・イラン間の地政学的緊張が続くなかで安全資産としての地位が追い風となっている。紛争長期化はインフレ懸念を再燃させており、特に最新データでは、FRBが重視するインフレ指標であるコアPCE価格指数が2026年4月に前年比3.1%となった。インフレの粘着性は、FRBがタカ派姿勢を維持せざるを得ないとの圧力を強める。
この状況は為替市場に緊張感をもたらし、DXYはファンダメンタルズの強さとテクニカル上の迷いの間で綱引きとなっている。200期間EMA(98.88)からの反発は前向きなサインだが、主要フィボナッチ抵抗を上抜けられない点は、市場参加者が新たな上昇トレンドに全面的にコミットしていないことを示す。MACDとRSIが中立的な水準にあることも、この判断保留を裏付けており、今後数週間のデリバティブ戦略に独自の機会をもたらすとみられる。
レンジ相場のドルに向けたオプション/デリバティブ戦略
明確ながら幅のあるレンジが意識されるなか、こうした持ち合いから収益機会を狙う戦略が検討される。DXY先物、または関連ETFを対象に、99.54の上値抵抗上でコールスプレッドを売り、98.80の下値支持下でプットスプレッドを売るアイアン・コンドルは有効となり得る。中東情勢の先行きが見通しにくい間、ドルがレンジ内にとどまる局面で収益化を図る設計だ。
紛争激化やFRB声明の想定以上のタカ派化でブレイクアウトを見込む場合、ブル・コール・スプレッドが抑制的なアプローチとなる。2026年7月限で99.50のコールを買い、100.50のコールを売ることで、リスクを限定しつつ上昇に備えられる。DXYオプションのインプライド・ボラティリティが3カ月ぶり高水準に上昇しており、コール単体の買いはコスト高になりやすい点を踏まえたものだ。
一方、外交面での突破口が開ける、または98.88のテクニカル支持を明確に割り込む場合には、下方ヘッジや弱気の投機戦略が必要となる。その場合、2026年7月限で98.50のプットを買い、97.50のプットを売るベア・プット・スプレッドが候補となる。より低い支持水準への下落局面で収益機会を狙いつつ、最大損失を明確に限定できる。
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