米・イラン合意への期待でユーロ/ドルが窓を開けて上昇、FRB利下げ観測が上値を抑制

    by VT Markets
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    May 25, 2026

    EUR/USDは週明け、買い優勢の窓(前週終値から上に離れて始まる値動き)を伴ってスタートした。米国とイランの和平合意への期待が高まり、リスク回避時に買われやすい「安全資産」とされる米ドルが売られたためだ。アジア時間には、先週木曜日の安値1.1575(4月7日以来の低水準)から反発し、1.1600台半ばへ戻した。それでも全体の地合いは慎重で、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに前向き(タカ派)との見方が、米ドルの一段安を抑える要因になり得る。

    テクニカル面では、4〜5月の下落に対するフィボナッチ・リトレースメント(値幅に対する戻りの目安)の23.6%水準を上回って推移している。勢いを示す指標も底堅く、RSI(相対力指数:買われ過ぎ・売られ過ぎを測る指標)は58付近、MACD(移動平均収束拡散手法:トレンドの強弱をみる指標)は小幅ながらプラス圏で、日中の上値余地を示唆する。上値抵抗は38.2%水準の1.1675〜1.1680が意識され、次に1.1710が焦点となる。ここは4時間足の200期間SMA(単純移動平均:一定期間の平均値)と50%戻しが重なる重要ポイントで、上抜ければ61.8%の1.1740、78.6%の1.1785、さらに1.1842が視野に入る。一方、下値支持は1.1638、次いで1.1574。後者を割り込むと下落局面が再び強まりやすい。

    短期の機会と地政学要因

    週明けのEUR/USDの上放れを踏まえると、地政学リスクの後退期待に基づく短期的な機会が意識される。米・イラン合意の可能性が現時点でドルの重しとなり、相場を1.1600台半ばへ押し戻している。ただし、このムードは変わりやすく、慎重に見る必要がある。

    この通貨ペアの主な綱引きは、FRBのタカ派姿勢と、市場心理の変化だ。直近の米消費者物価指数(CPI:消費者向け価格の変化)では、コア指数(食品・エネルギーを除く物価)が根強い3.1%となり、市場では第3四半期末までに追加利上げがあり得るとの見方が残っている。こうした材料は米ドルの大幅安を抑え、今後数週間のユーロ上昇の上限になりやすい。

    EUR/USDの取引戦略と見通し

    目先の上方向の勢いを狙う場合、短期のコールオプション(期日までにあらかじめ決めた価格で買う権利)の購入が有力な手段となる。テクニカル要因が重なる1.1710近辺を行使価格(権利を行使できる価格)とする週次または隔週のオプションを想定し、急伸局面の利益機会を狙いつつ、損失の上限を限定する考え方だ。

    一方で、1.1710〜1.1740は上値の壁になりやすい。相場がこのゾーンに近づく場面では、上昇の失速(跳ね返り)を想定し、コール・スプレッドの売り(複数のコールを組み合わせ、利益と損失の範囲を設計する取引)など、下方向に備える戦略が検討される。中期的には米ドル優位につながりやすい経済指標の流れとも整合的だ。

    目先の買いの勢いが失速し、1.1600を割り込む場合は、下押し加速のサインとなり得る。FRBと欧州中央銀行(ECB)のスタンスの差に加え、ユーロ圏のHICP(調和消費者物価指数:EU基準の物価指標)が先月2.4%へ低下したことも、長めの時間軸では弱気の見方を支える。1.1574の節目を下抜けるなら、6月下旬〜7月満期のプット(期日までに決めた価格で売る権利)を買う戦略が意識される。

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