米リッチモンド連銀のバーキン総裁は、インフレ、米雇用、そして人工知能(AI、コンピューターが学習して判断を助ける技術)が労働市場(雇用や賃金が決まる市場)に与える長期的な影響をめぐる不確実性が大きいとして、「強いフォワードガイダンス(将来の金融政策方針を事前に明確に伝えること)」を出すタイミングではないと述べた。バーキン氏は、FRBの「二つの使命(物価の安定と最大雇用)」の両面にリスクがあるとし、インフレ重視・雇用重視のどちらかに偏る姿勢ではないとした。
バーキン氏は、足元の雇用増は明るい材料だとしつつ、AIにより雇用が失われる可能性もあると指摘した。ソフトウエア以外の業種では、AIを理由に人員削減がまだ広がっていないとも述べ、AIの短期・長期の影響について明確な結論を出すのは難しいとした。
FRBの慎重姿勢で市場は「データ次第」に
バーキン氏は、長期の「市場ベースのインフレ期待(債券市場の価格から推測される将来のインフレ見通し)」が大きく上振れしたようには見えず、債券利回り(債券の利ざや。価格が下がると上がる)は妥当な範囲にあるとの見方を示した。また、米国債の発行(国の借金の増加)により、長期国債市場の需給(買い手と売り手のバランス)が変化しているかどうかにも疑問を呈した。
さらに、企業はコストを価格転嫁(コスト上昇分を販売価格に上乗せ)して回収できる自信が弱まっていると述べた。火曜日にはケビン・ウォーシュ氏と話し、面識を得たとも明かした。