フランスのHCOBサービス業PMI(購買担当者景気指数)は5月に42.9となった。市場予想は46.5だった。
PMIは、企業の購買担当者への調査を指数化したもので、50を下回るとサービス業の景況感が「悪化(縮小)」していることを示す。5月の結果は予想を3.6ポイント下回った。
フランスおよびユーロ圏の見通しへの影響
5月のフランスのサービス業データは大きく失望を誘う内容で、予想の46.5に届かず42.9まで低下し、サービス業の縮小が鮮明になった。ユーロ圏の重要な分野で減速が強まっていることを示し、欧州景気の後退(リセッション)リスクが高まったとみられる。
この弱さを受け、フランス株に下押し圧力がかかる可能性がある。CAC40指数は影響を受けやすい。対応策としては、CAC40に連動するETFのプットオプション(株価指数が下がるほど利益になりやすい権利)を買う、あるいは指数先物を売って下落に備える方法がある。
今回の指標は、欧州中央銀行(ECB)に利下げ圧力を強める材料となる。市場では9月までに0.50%(50ベーシスポイント、0.01%=1bp)程度の利下げが意識されてきたが、利下げの時期が前倒しになったり、緩和幅が拡大したりする可能性がある。結果として、ユーロは対ドルで下押しされやすく、足元の水準を割り込む展開も警戒される。
予想を大きく下回る結果は、市場の不確実性と値動きの大きさ(ボラティリティ)を高める。ユーロ圏株の予想変動率を示すVSTOXXが上昇する可能性がある。こうした局面では、ストラドル(同じ行使価格・同じ期限のコールとプットを同時に買い、上下どちらに大きく動いても利益を狙う取引)や、シンプルなプットオプションが有効になりやすい。
債券(固定利付)市場での見方と独国債(ブント)
債券市場では、景気の弱さは国債に追い風となる。ECBの早期かつ追加的な利下げ観測が強まれば、ドイツ国債(ブント)の利回り(利率)は低下しやすい。先物でブントを買っておく(ロング、価格上昇を狙う)戦略は、金融緩和方向の見方が強まる局面で利益につながりやすい。