アラブ首長国連邦(UAE)の金価格は火曜日、FXStreetのデータに基づき下落した。金は1グラム当たり536.38ディルハム(AED)と、月曜日の539.23ディルハムから下げた。
また、1トラ(tola:南アジアで使われる金の重さの単位。約11.66グラム)当たりは6,256.24ディルハムと、前日の6,289.47ディルハムから低下。その他の表示レートは、10グラム当たり5,363.81ディルハム、1トロイオンス(貴金属取引で使う重量単位。約31.1035グラム)当たり16,682.88ディルハムだった。
UAEの金価格の算出方法
FXStreetは、国際価格を米ドル/UAEディルハム(USD/AED)で換算し、現地の重量単位に置き換えてUAEの金価格を算出している。数値は掲載時点で日次更新され、参考値であり、実際の店頭価格は異なる場合がある。
金は価値の保存手段(資産として持つこと)や交換手段(支払いに使える性質)として用いられ、宝飾品にも広く使われている。また、物価上昇(インフレ)や通貨価値の低下に備える手段(ヘッジ:損失の可能性を抑える目的の取引・保有)としても利用される。
中央銀行は金の最大の保有主体である。世界金協会(World Gold Council)によると、2022年に中央銀行は1,136トン(約700億ドル相当)を買い増し、統計開始以来で最大の年間購入量となった。
マクロ見通しと取引への示唆
過去を振り返ると、米連邦準備制度理事会(FRB:米国の中央銀行にあたる機関)は2025年後半に利上げ局面(政策金利を引き上げる段階)から転じ、0.25%(25ベーシスポイント。ベーシスポイントは金利の単位で0.01%)の利下げを2回実施した。市場が長く織り込んでいた動きだ。一方、2026年4月のインフレ指標は前年同月比3.2%と予想をやや上回り、今後の利下げペース(利下げの進み方)を巡る不透明感が出ている。金利が下がる一方で実質的にプラスの水準が続き、インフレも粘着的(下がりにくい)という環境は、歴史的に金価格を押し上げやすい。
米ドルは年初来でユーロに対し3%超下落しており、金価格に追い風となっている。さらに、南シナ海の地政学的緊張が続き、安全資産需要(リスク回避で比較的安全と見なされる資産に資金が向かう動き)を下支えしている。地政学リスクへの注目が再び高まったことは、2025年後半には相対的に目立たなかった追加の支援材料となっている。
中央銀行による購入需要は、価格の大きな下落を抑えやすい基礎的な力として続いている。2026年1〜3月期の新たなデータでは、特にアジアの中央銀行を中心に合計290トンを追加購入したことが確認され、2025年に見られた高水準の購入ペースが継続している。こうした継続的な買いは、市場の下値(価格が下がりにくい水準)を形成し、短期取引による下落局面でも吸収しやすい。
デリバティブ(金融派生商品。先物やオプションなど、元になる資産価格に連動する取引)取引では、長期のコールオプション(買う権利。一定価格で将来買える権利)を用いて上昇方向のポジションを取る戦略が有効とみる。これによりリスクを限定しつつ、地政学リスクの悪化やFRBの想定以上に緩和的(ハト派)な動きによる急騰に備えられる。加えて、アウト・オブ・ザ・マネーのプット(売る権利。現時点の価格より不利な行使価格のプット)を売ってプレミアム(オプション対価)を得る手法も、強い需給が大幅下落を防ぐとの見立てに基づく選択肢となる。