週末明けのダウ工業株30種平均(DJIA)先物は下落して始まったが、月曜は持ち直し、49,000台前半の安値圏から午後半ばにかけて前週金曜の終値近辺まで戻した。S&P500とナスダック総合指数も反発したものの、先週の最高値更新水準からはなお大きく下回った。金曜は、長期金利(償還までの期間が長い国債の利回り)の上昇に伴い株価が押し下げられる場面があった。
半導体メモリ関連株が序盤の下げを主導し、シーゲートはCEOが新工場の稼働について「立ち上げまで時間がかかりすぎる」と述べたことを受けて7%安。マイクロンも2%下落した。ナスダック100指数は金曜に1.5%下げ、3月下旬以来の大幅な1日下落となった。
Bond Yields And Macro Backdrop
原油相場は米国とイランの緊張継続を背景に上昇し、WTI(米国産原油の代表指標)は1バレル105ドル超で0.5%高、ブレント(北海産原油の国際指標)も109ドル近辺で0.5%高。米国債30年利回り(米国政府が発行する30年満期国債の利回り)は金曜に約1年ぶりの高水準となり、月曜は概ね横ばい。英国の30年国債(ギルト)利回りは1990年代後半以来の水準となった。
日曜、ドナルド・トランプ大統領はイランに対し「動かなければ何も残らない」と警告。米ニュースサイトのAxiosは、米国がイランの修正提案をなお不十分とみていると報じた。これにより、ホルムズ海峡(中東の主要な原油輸送ルート)を巡るリスク上乗せ(地政学リスクを織り込む上昇分)が続いた。
米国の経済指標は手薄で、木曜の速報PMI(購買担当者景気指数:企業の景況感を示すアンケート指標)が焦点。製造業は53.8(前回54.5)、サービス業は51.3(前回51)。FRB(米連邦準備制度理事会)関係者の発言予定は、クリストファー・ウォラー理事が火曜と金曜。水曜にFOMC議事要旨(金融政策決定会合の議論内容)、金曜にミシガン大学消費者調査(消費者心理とインフレ期待を含む調査)が公表される。
2025年5月は、世界的な超長期金利(満期が非常に長い国債の利回り)の急上昇が株式市場の重しとなり、S&P500とナスダックの上値を抑えた。足元でも米10年国債利回り(米金利の基準の一つ)が4.4%超で高止まりしており、金利上昇圧力が成長株(将来の利益成長期待が高い企業株)にとって逆風になっている。トレーダーは、金利上昇による株価の評価額(バリュエーション)押し下げに備え、QQQ(ナスダック100に連動するETF)などのオプション(あらかじめ決めた価格で売買できる権利)を用いたヘッジ(損失の抑制策)を検討したい。
Energy And Geopolitical Hedging
2025年5月は、インフレ指標の上振れでFRBの利下げ期待が後退し、景気減速の兆候を探る材料としてPMIに注目が集まった。現在も、総合PMIが51.3となり、FRBは「高金利を長く維持する」姿勢を示している。デリバティブ(株価指数や商品などの値動きに連動する金融商品)を扱う市場参加者は、ミシガン大学調査に含まれるインフレ期待(将来の物価上昇見通し)に注目し、FRBの政策時期が変わり得る想定外の動きがないか確認したい。