中国では輸出の失速で国内需要の弱さが続き、リフレ期待が後退し、ボラティリティ上昇リスクが持続

    by VT Markets
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    May 18, 2026

    中国の4月統計では国内需要の弱さが示された。1〜3月期(Q1)の成長率が市場予想を上回った後、消費と投資の伸びが鈍化した。一方、輸出は市場予想を上回り、鉱工業生産(工場などの生産活動)を下支えした。

    小売売上高の伸びと固定資産投資(インフラ・工場設備・不動産など、長期に使う資産への投資)の伸びはいずれも減速した。これは、資金需要が弱いことを示す先行データ(信用需要の低迷)とも整合的だ。インフレ率が低い状態から物価が持ち直す動き(リフレーション)も続いたが、主因は世界的な資源価格(コモディティ価格)の上昇だった。

    国内需要は依然として出遅れ

    世界的なコモディティ価格の上昇は、AI(人工知能)関連投資の拡大や中東情勢(紛争)と結び付いていた。中東情勢による景気への影響が、4月に入り一部表れ始めた可能性がある。

    政府は今後数カ月、投資を安定させるため、財政政策(政府支出や減税)の実行を加速する可能性が高い。中東は今年も不確実性の要因として残る見通しだ。

    米中関係はおおむね安定が続くとみられるが、断続的な緊張の高まり(フレアアップ)が起きる余地はある。管理された休戦(対立を抑えつつ大きな衝突は避ける暗黙の合意)が、関係悪化による大きな混乱リスクを抑えると見込まれる。

    市場と戦略への示唆

    この構図はいま変化している。2025年後半の財政支援は投資の下支えに一定の効果はあったが、十分ではなかった。直近の2026年4月データでは小売売上高の伸びは2.9%と低調で、輸出も世界需要の減速を受けて2カ月連続で減少した。昨年の支えだった「外需」という柱が弱まりつつある。

    2025年に見られたコモディティ主導のリフレーション(資源高による物価押し上げ)も大きく落ち着いた。銅価格は2025年後半の高値から約8%下落し、現在は1トン当たり約9,200ドルで推移している。原油は80ドル台前半で安定した。これは輸入物価の上昇圧力を和らげる一方、昨年みられた企業利益(特に製造業)への追い風が弱まることも意味する。

    2025年に想定した通り、米中関係では断続的な緊張が続き、例えば2026年2月に新たなハイテク規制が導入された。こうした緊張の継続は、中国資産のインプライド・ボラティリティ(オプション価格から逆算される、将来の値動き見込み)が過小評価されている可能性を示す。地政学リスクの見出しで相場が急変する事態に備える必要がある。

    国内・外需ともに見通しが弱まる中、市場参加者は下落に備える戦略を検討したい。例えば、FXIのような中国株の幅広いETF(上場投資信託)に対するプットオプション(一定価格で売る権利)を買うことで、さらなる下落への保険になり得る。方向感は乏しいが値動きが荒い状態が続くとみる場合は、オプションでボラティリティ(価格変動の大きさ)を買う戦略が今後数週間で有効となる可能性がある。

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