英国ポンドは月曜日、対米ドルで4日続落の後に反発した。GBP/USDは1.3350を上回って推移し、6週間ぶり安値1.3302から持ち直した。背景には、米国とイランの和平協議報道を受けて、ドル(安全資産として買われやすい通貨)需要が弱まったことがある。
イラン国営メディアは、イラン外務省報道官の発言として、ワシントンとテヘランが最近のイラン側提案を軸に交渉していると伝えた。同報道は、イランとオマーンの実務者チームが先週オマーンで会合し、ホルムズ海峡(中東の主要な原油輸送ルート)の安全な通航の回復について協議したとも報じた。
地政学の見出しとリスクセンチメント
先に市場のリスクセンチメント(投資家がリスク資産を買いやすい心理)は、戦闘再燃への懸念で悪化していた。週末には、アラブ首長国連邦(UAE)の原子力施設へのドローン攻撃が伝わり、脆弱な停戦に追加の圧力がかかった。
米国のドナルド・トランプ大統領は、国家安全保障の高官らと会談した後、イランに対して「時間が迫っている」と述べた。英国では、キア・スターマー首相が続投の意向を示す一方、労働党内で後任候補の名前が取り沙汰され、政治の不透明感が強まった。
米英ともに重要な経済指標の発表が少ないなか、イングランド銀行(英中央銀行)副総裁サラ・ブリーデン氏の発言にも注目が集まった。同氏はフィナンシャル・タイムズ紙に対し、政策金利の変更を「性急に行うべきではない」と語った。
オプション戦略とボラティリティ
相反する材料が混在する局面では、オプション(将来の一定期日までに、あらかじめ決めた価格で売買できる権利)を使った戦略の重要性が増す。GBP/USDのインプライド・ボラティリティ(市場が見込む将来の変動率)は今月10.8%まで上昇し、3月の8.5%から高まっている。市場がより大きな値動きを織り込んでいることを示す。トレーダーは、ストラドル(同じ行使価格・満期のコール=買う権利とプット=売る権利を同時に買う戦略)などでボラティリティを買い、方向性を決め打ちせずに大きな変動から利益を狙うことを検討したい。
ポンドの基調的な弱さも重要だ。足元でも、英国の10年国債利回り(長期金利の代表指標)がこの1カ月で25bp(ベーシスポイント=0.01%)上昇し、国家債務への懸念が再燃している。こうした背景を踏まえると、ポンド高は崩れやすく、戻り局面は売りを検討しやすい。
そのため、GBP/USDが上昇する局面を利用して弱気(下落を見込む)ポジションを構築する、あるいは下落に備える保険としてのダウンサイド・ヘッジ(価格下落に備える対策)を持つのが妥当だろう。プットオプションを買えば、損失をあらかじめ限定しつつ、ポンドの弱材料が再び前面に出て下落した場合の利益機会を狙える。