世界の株式は金曜日に下落し、週明け月曜日も軟調が続いた。アジア株は下落し、米国・欧州の先物も弱含んだ。
背景には、世界的な債券売り(債券価格の下落=利回りの上昇)の継続と、原油高がある。イラン情勢とホルムズ海峡(中東の主要な原油輸送ルート)を巡る緊張は、なお解決していない。
資産クラス全体で「リスク回避」
株式セクターで上昇したのはエネルギーのみで、原油高が追い風となった。ディフェンシブ(景気に左右されにくい銘柄)、低ボラティリティ(価格変動が小さい銘柄)、バリュー(割安株)といった投資スタイルは、売り局面でも市場全体より相対的に底堅かった。
素材など資源関連株も下落した。金と銀も先週は弱く、金曜日の値動きが最も大きかった。
市場の動きは、株安が「名目成長(インフレを含む成長)が強まる」という見方から生じたものではないことを示している。むしろ、財政悪化への懸念、インフレ再燃リスク、原油高を背景に、長期金利(長期国債の利回り)が上がるとの見方が強まった形だ。
金利上昇と変動拡大に備える
足元の市場は成長期待よりも「リスク」が主因で動いている。指標となる米10年国債利回りが今朝4.75%を上回っており、これは景気の強さというより、財政懸念と原油高によるインフレ圧力を映している。こうした局面は2023年末に大きな変動(ボラティリティ)を招いた。金利上昇に備える手段としては、残存期間が長い債券ETF(長期債ETF。金利変動の影響を受けやすい)であるTLTに対し、プット・オプション(将来、決めた価格で売る権利)を買うことが直接的だとみる。
株式が広く弱い状況では、デリバティブ(先物・オプションなどの金融派生商品)で下落に備えたヘッジ(損失を抑えるための対策)や、追加下落を狙うポジションを検討したい。VIX(S&P500の予想変動率=不安心理の指標)は28近辺で推移し、年初来の低水準から大きく上昇している。市場がリスクを織り込んでいるサインだ。S&P500でプット・スプレッド(プットを買い、別の行使価格のプットを売ってコストを抑える手法)を使えば、損失上限を限定しつつ、数週間にわたるリスク縮小(デリスキング)局面を捉えやすい。
強いのはエネルギーだけで、地政学リスクが原油価格を高止まりさせる限り、この流れは続く可能性がある。ブレント原油が1バレル=110ドルを上回って推移するなか、XLEのようなエネルギーETFにコール・オプション(将来、決めた価格で買う権利)を買う戦略が有効と考える。インフレ圧力の恩恵を受けやすい領域に絞って投資できるためだ。
素材や資本財・工業株といった景気敏感株(シクリカル)が大きく売られており、健全な景気拡大のシグナルとは言いにくい。2022年に見られたスタグフレーション(景気停滞とインフレが同時進行する状態)懸念に近く、金利上昇が成長株を圧迫した局面を想起させる。ペア・トレード(相対的な強弱を狙い、同時に買いと売りを行う手法)として、ハイテクETFのXLKでプットを買い、防衛的な生活必需品ETFのXLPでコールを買う組み合わせは、このパフォーマンス格差の拡大を狙う形になり得る。
金や銀といった「安全資産」も弱い点は重要だ。単なる資金のローテーション(資金の移動)ではなく、金利上昇で他資産の魅力が低下し、現金志向が強まっている可能性を示す。株式を保有する場合も、ヘッジを併用すべきだという見方を裏付ける。市場は下方向に動きやすい状況に見える。
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