円安進行で注目される日本の経済指標、日銀の利上げは7月まで見送りとの見方

    by VT Markets
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    May 15, 2026

    日本では今週、1-3月期(1Q)のGDP速報値に加え、4月の貿易統計と物価(インフレ)指標の発表が予定されている。GDPは前期の年率換算前期比(QoQ saar)1.3%から1.8%へ上昇する見通しで、通年GDP見通しは0.5%が維持されている。

    1Qは輸出が底堅く、鉱工業生産も増加した。背景には、AI(人工知能)向け需要と半導体輸出の増加がある。設備投資も増え、AI・半導体関連の投資(工場や機械などへの支出)がけん引した。

    成長の支えは維持

    一方、個人消費は弱いように見える。1Qの小売売上高は増加し、訪日外国人の支出も含まれるが、日銀の「消費活動指数」(家計の支出動向を示す指標)は国内の家計支出の伸びが鈍いことを示している。

    4月の貿易統計は、輸出の伸びが鈍化し、輸入が増えることで、貿易収支(輸出額と輸入額の差)が再び赤字に戻る見通しだ。原油高は貿易収支の悪化と関係が深く、円(JPY)の重しとなる。為替介入(当局が為替市場で売買して相場を動かすこと)の効果は、原油価格が下がらない限り一時的にとどまるとみられる。

    4月の消費者物価指数(CPI、家計が購入するモノ・サービスの価格動向)は、政府のエネルギー補助金に支えられ、前年同月比(YoY)1.5%程度を維持する見通しだ。インフレ率が1.5%程度にとどまる中、日銀が6月に利上げ(政策金利の引き上げ)に動く可能性は低く、7月に0.25%(25bp、bp=金利の0.01%)の利上げが予想されている。

    円相場は、対米ドルで一段安になりやすい。貿易収支が赤字に戻りつつあり、WTI原油が1バレル85ドル超で推移するなか、輸入コストが増えやすい。米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を据え置く一方で、日米の金利差(利回り格差)が大きいため、円を売って高金利通貨を買う「キャリートレード」(金利差を狙う取引)が成立しやすい。結果として、ドル円(USD/JPY)は最近161.50を上回った。

    2024年を振り返ると、政府の介入は円を一時的に押し上げたものの、その後は需給や金利差といった基調が再び優勢になった。同様に、今後数週間で当局の警告や行動によって円が急騰しても、売り場とみなされる可能性がある。日銀6月会合後に満期が来るドル円のコールオプション(将来、あらかじめ決めた価格で買う権利)を使うと、こうした見方に沿ってポジションを取りやすい。

    円安を想定した戦略

    こうした環境は日本株にも追い風で、特に日経平均株価(Nikkei 225)にプラスとみられる。円安は輸出企業の海外利益を円換算で押し上げやすく、AI・半導体分野への強い投資も成長の支えになる。日経平均が41,000を上回って推移していることを踏まえると、株価指数先物(将来の指数水準で売買する契約)で直接エクスポージャー(投資対象への実質的な持ち高)を得る方法がある。

    最大のリスクは、財務省による急な為替介入で、短期的に極端な変動を起こし得る点だ。このため、損失額を限定できるオプション戦略(例:ドル円のブル・コール・スプレッド=コールを買い、より高い行使価格のコールを売ってコストと損失を抑える形)のほうが、先物をそのまま持つより慎重な選択になりやすい。こうした手法なら、想定する円安で利益を狙いつつ、予期せぬ政策変更や介入による損失を上限付きにできる。

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