USD/CADは1.37台半ばへ上昇。カナダドルは軟調だが、G10の資源国通貨(商品価格の影響を受けやすい主要10通貨)の中では下げが小さい部類に入る。現物レート(スポット)は「適正水準」とされる1.3554を上回っており、上昇の主因はセンチメント(投資家心理)と説明されている。
同通貨ペアは1.37前半のレジスタンス(上値抵抗)を突破し、1.3750前後まで上昇して、その近辺で推移している。注目水準として1.3758が挙げられ、これは4〜5月の下落(1.3967→1.3550)の「50%戻し」(下落幅の半分を取り戻す水準)とされる。
Near Term Technical Levels
目先の方向感は「中立〜やや米ドル高」とされる。上値の次の目安は1.3810/20、下値のサポート(下値支持)は1.3710/20とされている。
USD/CADの1.37台半ばへの上昇は続きやすい。直近のデータでは米国とカナダの景況に差が出ているためだ。今週の米インフレ指標は市場予想をやや上回る2.9%となり、FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げ(政策金利の引き下げ)を急がないとの見方を強めた。こうした投資家心理が、米ドルを多くの通貨に対して押し上げる主因になっている。
焦点は、BoC(カナダ銀行)とFRBの金融政策の方向性の違いだ。先週のカナダ雇用統計は弱く、失業率が予想外に6.4%へ上昇した。これによりBoCは、早めの金融緩和(利下げなど景気下支え策)を検討しやすくなる。加えて原油価格が1バレル78ドル近辺で伸び悩んでおり、カナダドルの支えが弱まっている。
Trade Setup And Risk Control
トレーダーにとっては、短期のUSD/CADコールオプション(期日までにあらかじめ決めた価格で買う権利)を買い、上昇に備えるのが分かりやすい手段となる。直近の目標は次の主要レジスタンスである1.3810/20。コールスプレッド(権利行使価格の異なるコールを買いと売りで組み合わせ、コストと損失上限を抑える方法)を使えば、コストを抑えつつリスク(想定外の損失)を限定できる。
一方で、USD/CADは適正水準とされる1.3554を大きく上回っている。過大評価(実力以上に買われた状態)が進んでおり、投資家心理が変化すれば急反落しやすい。1.38近辺では利益確定(含み益を確定する売買)も選択肢となる。
インプライド・ボラティリティ(オプション価格から逆算した将来の変動率予想)は現時点で比較的低く、オプションは方向性(上昇・下落)を狙う手段として極端に割高ではない。ボラティリティの急上昇は、上昇トレンドが息切れに近いサインになり得る。