カナダの対外証券へのポートフォリオ投資(株式や債券など、市場で売買できる金融資産の取引を示す指標)は3月に39億カナダドルとなり、前回の253億6,000万カナダドルから大きく減少した。統計は、カナダの海外証券の購入ペースが急減速したことを示している。
今回の公表は3月と前回分の金額のみで、内訳の詳細は示されていない。
カナダの対外ポートフォリオ投資が39億カナダドルまで落ち込んだことは、資金の国内回帰(海外に出ていた資金が国内に戻る動き)の強まりを示す重要なサインだ。カナダの投資家が海外投資よりも国内への資金移動を選好している可能性があり、カナダドル(CAD)にとっては追い風(上昇要因)になり得る。
今後数週間は、米ドルに対してカナダドルが強含む展開を想定した戦略が考えられる。米ドル/カナダドル(USD/CAD)はすでに軟化しており、2025年後半に下値の目安(サポート)として機能していた1.3400を下回った。
資金が国内に戻れば、カナダ株式市場への資金流入につながり、株価を下支えする要因(追い風)となる可能性がある。代表的な株価指数であるS&P/TSX 60は今年、S&P 500を3%超上回っており、こうした資金フローがこの傾向を後押しする余地がある。
背景としては、中央銀行の政策の方向性の違いがあるとみられる。金利先物(将来の金利見通しを織り込む取引)では、今夏にカナダ銀行(BoC)が追加利上げする確率が75%程度と見込まれる一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は金利を据え置くとの見方が優勢だ。両国の金利差(利回りの差)が広がれば、相対的にカナダの資産を保有する魅力が高まる。