英ポンド安、強いドルと英政局不安がGDP上振れを相殺

    by VT Markets
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    May 14, 2026

    GBP/USDは木曜日も上値の重い展開が続いた。米ドル高と、英国の政治不透明感の強まりが重荷となった。執筆時点では1.3482近辺で推移し、前日比で約0.30%安となり、3日続落となった。

    その後の更新では、同通貨ペアは1.3520近辺と、前日比ほぼ横ばい。週初の高値1.3650から下落した後、いったん下げ止まった。

    木曜日に発表された英国の経済指標は市場予想を上回った。国内総生産(GDP:一定期間に国内で生み出されたモノやサービスの付加価値の合計)や製造業関連の指標が予想以上となり、ポンドの下支え要因になり得ると受け止められた。

    アジア時間のGBP/USDは、3日連続の下落後も1.3520近辺を維持した。市場は、2026年1〜3月期の英国GDP速報値に加え、この日後半に公表予定の鉱工業生産(工場や鉱山などの生産量の増減を示す)および製造業生産(製造業に絞った生産量の増減)を待ちつつ、トランプ氏と習近平氏の会談に関する報道も注視した。

    ポンドは1.3500を上回って踏みとどまるのに苦戦している。英国の底堅い経済指標と、海外要因の逆風に挟まれているためだ。最新の統計では英国GDPが1〜3月期に前期比0.4%増と、市場予想(0.2%増)を上回ったが、下落基調を反転させるには至っていない。短期的には神経質な綱引きが続きそうだ。

    米ドル高は最大の下押し要因だ。米連邦準備制度理事会(FRB:米国の中央銀行にあたる機関)の最近の発信を受け、市場では7月までに追加利上げ(政策金利の引き上げ)が行われる確率を75%と織り込む動きが出ている。日英の金融政策の方向性の差(政策の温度差)がGBP/USDの重荷となり、これが1.3650近辺の高値から押し下げた主因となった。

    さらに、英国の政治不透明感の高まりも重荷だ。首相に対する不信任投票の可能性が取り沙汰され、投資家心理を冷やしている。こうしたなか、CBOEのポンド・ボラティリティ指数(BPVIX:ポンドの値動きの大きさに対する市場の予想を示す指標)は3カ月ぶり高水準の11.5まで上昇した。今後数週間は値動きが大きくなりやすいとの見方が強いことを示している。価格の振れが大きい局面では、損失を抑える、または値動きから収益機会を狙う戦略が重要になる。

    1.3450を下回る行使価格のプットオプション(売る権利)を買い、下落に備えるヘッジ(損失を抑えるための保険)を検討したい。オプションは支払ったプレミアム(オプション料)以上の損失が出にくく、リスクが限定される一方、政治関連の悪材料や米ドル高の継続で下落した場合に利益を狙える。大きな資金を投じずに下方向へ備える手段として妥当だ。

    2025年後半にも、政治的な摩擦をきっかけに同通貨ペアが4%急落し、その後、強い経済指標で急速に戻した例があった。この経験は、下方向のリスクが目先明確でも、市場が不意に反転し得ることを示している。したがって、満期(権利行使できる期限)が明確なオプションを使い、例えば6月末や7月満期を選ぶのが実務的だ。

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