スペインのHCOBサービス業購買担当者景気指数(PMI、企業の景況感を示す指数)は4月に47.9となった。市場予想の52を下回った。
PMIが50を下回る場合、サービス業の活動が縮小していることを示す。したがって4月の数値は、前月に比べサービス業の生産(提供量)が減少したことを示唆する。
スペイン市場への影響
スペインの4月サービス業PMIが47.9へ急低下し、予想外に縮小圏へ入ったことは、市場が織り込んでいなかった景気減速を示す。サービス部門はスペイン経済の約70%を占めるため、この指標だけでも減速が進んでいる可能性が高い。今後数週間、スペイン資産には下押し圧力がかかりやすい。
そのため、株価指数IBEX35に弱気のポジションを検討したい。構成比の大きい銀行株やサービス関連は景気悪化の影響を受けやすい。IBEX35のプットオプション(一定価格で売る権利)や、スペイン銀行株のプット購入は、下落局面に備える手段となる。
また、ユーロ圏第4位の経済規模であるスペインの弱さは、ユーロ(共通通貨)の重しになり得る。米国の景気指標が相対的に底堅い状況では、ユーロ売りの材料になりやすい。ユーロ/米ドル(EUR/USD)を売る取引(ショート)で、下落を狙う局面とみる。
さらに、この結果は欧州中央銀行(ECB)の政策運営を難しくする。コアインフレ率(変動の大きいエネルギー・食品を除いた物価上昇率)が3%弱で推移するなか、景気減速が明確になれば、ECBにハト派(金融緩和寄り)姿勢や年後半の利下げ検討を促す可能性がある。金利先物(将来の金利水準に連動する先物)を用い、予想金利の低下で利益が出る形にする戦略が考えられる。
スペイン国債リスクの注視点
このニュースを受け、スペイン国債に対するリスク認識も高まりやすい。スペイン国債利回りとドイツ国債利回りの差(スプレッド、国の信用力の差を反映)が拡大するかを監視したい。直接的なヘッジとしては、スペイン国債のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ、債務不履行に備える保険のような取引)でプロテクション(信用リスクの保険)を買うことが、信用不安の上昇に備える手段となる。