アラブ首長国連邦(UAE)の金価格は水曜日、FXStreetが集計したデータによると上昇した。金は1グラム当たり549.08UAEディルハム(AED)となり、火曜日の538.00AEDから上げた。
トラ(tola、南アジアなどで使われる重量単位)当たりの金価格は6,404.37AEDとなり、前日の6,275.10AEDから上昇した。公表されたレートは、10グラム当たり5,491.08AED、トロイオンス(troy ounce、貴金属取引で用いられる重量単位)当たり17,078.19AED。
Uae Gold Rate Snapshot
FXStreetは、国際価格を米ドル/ディルハム(USD/AED)の為替レートと現地の重量単位に換算してUAEの金価格を算出している。価格は公表時点で日次更新され、参考値である。実際の現地レートは多少異なる場合がある。
中央銀行は金の最大保有者である。ワールド・ゴールド・カウンシル(World Gold Council)によると、中央銀行は2022年に1,136トン(約700億ドル相当)を買い増し、統計開始以来で最大の年間購入量となった。
金価格はしばしば米ドルや米国債と逆方向に動く。価格を動かす要因には、地政学リスク、景気後退(リセッション)への懸念、金利、米ドルの変動がある。金は米ドル建てで取引されるため(XAU/USD、金/米ドルの通貨ペア)、ドルの動きが影響しやすい。
足元では金価格が底堅い。背景には、市場の見通しが変化している流れがある。直近の強さは、米連邦準備制度理事会(FRB、米国の中央銀行)が利上げ局面の停止(利上げの一時停止)を示唆していることが大きい。金は利息や配当を生まない資産であるため、金利上昇が止まると「金を保有することで得られない利息(機会費用)」が増えにくくなり、相対的な魅力が高まる。
Market Strategy Considerations
中央銀行の需要は価格を下支えしている。2026年1〜3月(第1四半期)のデータでは、世界全体の純購入が290トン超となった。特に新興国の中央銀行による買いが目立ち、2022年に見られた高水準の購入ペースが続いている。これにより、短期的な下落の影響が和らぎやすい。2026年4月のインフレ指標は小幅に鈍化したものの、なお中央銀行の目標を上回っており、インフレへの備え(ヘッジ)としての金の需要を支えている。
米ドル指数は、2026年3月のFOMC(米連邦公開市場委員会、FRBの金融政策を決める会合)以降で約2%下落しており、金価格には追い風となっている。加えて、東欧の地政学的緊張が続いており、安全資産(リスク回避局面で買われやすい資産)として金への資金流入を支えている。ドル安とリスク回避が重なることで、上昇しやすい環境が整っている。
この状況では、満期が長いコール・オプション(将来、あらかじめ決めた価格で買う権利)で上昇余地を狙いつつ、損失上限を明確にする戦略が考えられる。一方、予想変動率(インプライド・ボラティリティ、市場が見込む価格変動の大きさ)が上昇している局面では、主要なテクニカル支持線(価格が下げ止まりやすい水準)付近、たとえば1オンス2,450ドル近辺で、現金担保付きのプット売り(cash-secured put:権利行使に備え現金を確保したうえで売る、下落時に買い取り義務が生じる取引)でオプション料(プレミアム)を得る方法もある。相場が短期的に横ばいでも上昇トレンドの恩恵を狙える。
2025年の値動きを振り返ると、市場が複数回の大幅利上げを誤って織り込み、急落した局面があった。予想以上に強い経済指標が出てFRBの姿勢が引き締め寄りに変われば、同様の売りが起きる可能性がある。このため、先物取引ではストップロス(損切り注文)を厳格に置くことが重要となる。また、株式市場が堅調であるため、投資家のリスク選好(リスクを取りやすい心理)が強まれば、安全資産から資金が移る可能性にも注意が必要だ。