NZD/USDは火曜日に0.5800台半ば(週内安値)からの反発を伸ばし、水曜日も続伸した。ニュージーランドの雇用統計が強弱まちまちとなる中でも、アジア時間に0.5900を回復した。
ニュージーランド統計局(Statistics New Zealand)によると、失業率は2025年10-12月期(Q4)5.4%から2026年1-3月期(Q1)に5.3%へ低下した。雇用者数(Employment、就業者の増減を示す指標)はQ1に前期比0.2%増となり、Q4の0.5%増から鈍化し、市場予想(0.3%)も下回った。
米・イラン進展でリスク選好が回復
相場の変動は、米国とイランの合意に向けた進展報道とも結びついた。これが米ドルの重しとなり、ニュージーランドドルを支えた。ドナルド・トランプ氏は、ホルムズ海峡(中東の重要な原油輸送ルート)を通る船舶に関連する作戦を一時停止すると述べ、合意が近いとの見方を示した。
ピート・ヘグセス国防長官は、米国はテヘラン(イラン首都)との緊張を再び高める意図はないとし、「プロジェクト・フリーダム」は一時的なものだと説明した。原油価格は1週間ぶりの安値へ下落し、インフレ懸念が和らいだことで、米連邦準備制度理事会(FRB、米国の中央銀行)が「タカ派(利上げや金融引き締めに前向き)」姿勢を強めるとの見方が後退した。
次の注目は、米ADP雇用統計(民間調査会社ADPが公表する民間雇用者数の推計)と、米連邦公開市場委員会(FOMC、FRBの金融政策を決める会合)メンバーの講演だ。市場は金曜日の米非農業部門雇用者数(NFP、農業以外の雇用増減を示す主要指標)も注視しており、中東情勢の進展次第では値動きが荒くなりやすい。
ニュージーランド側の材料としては、失業率が予想外に5.3%へ低下したことが、NZドル高(強気)を後押ししうる。また、2026年Q1のインフレ率が3.1%と高止まりした点も、ニュージーランド準備銀行(RBNZ、ニュージーランドの中央銀行)に金融引き締めを続ける圧力を残す。一方、原油安で米国のインフレ圧力が弱まれば、FRBは強硬姿勢を和らげる可能性がある。
オプション市場は変動率の上昇を示唆
イラン協議と金曜日のNFPを控えた「見出し(ヘッドライン)」による急変リスクを背景に、NZD/USDのオプション(将来の為替をあらかじめ決めた条件で売買できる権利)では、1週間のインプライド・ボラティリティ(IV、オプション価格から逆算される将来の変動率予想)が上昇している。
目先の焦点は米雇用指標で、金曜日のNFPは市場予想が19万人前後に集まっている。22万5,000人を大きく上回る結果となれば、米ドルの足元の下落に急な巻き戻しが起きる可能性がある。このため、買い持ち(ロング)を取る場合は、ストップロス(損失を限定するための自動損切り注文)を明確に設定し、リスク管理を徹底する必要がある。