USD/CADは火曜日、原油価格の小幅な反落と米ドル高がカナダドルの重しとなり、狭いレンジで推移した。通貨ペアは日中安値1.3604を付けた後、1.3619近辺で推移していた。
米ドル指数(複数通貨に対する米ドルの強さを示す指数)は98.45近辺で、前日比ほぼ横ばい。中東情勢の緊張が米ドルを下支えした。USD/CADは4月初旬以降は下向き圧力が続いている一方、足元の値動きは方向感に乏しく不安定になっている。
Key Data And Technical Levels
市場は金曜日発表の米国・カナダの雇用統計(雇用者数や失業率など。金融政策の見通しに影響)を待っており、利下げ・利上げ観測が変化する可能性がある。通貨ペアは20日単純移動平均線(直近20日終値の平均)およびボリンジャーバンドの中心線(移動平均線)である1.3697を下回っている。
RSI(相対力指数。買われ過ぎ・売られ過ぎの目安)は40近辺。MACD(移動平均収束拡散法。トレンドの強さと方向をみる指標)はマイナス圏にあり、赤色のヒストグラム(勢いを示す棒)が弱まっている。上値抵抗は1.3697、次いで1.3852、さらに1.4000近辺にも節目がある。
下値支持はボリンジャーバンド下限の1.3543、次に1.3400。カナダドルの変動要因は、カナダ中銀(BoC)の政策金利、原油価格、インフレ、経済指標、貿易収支。
カナダ中銀はインフレ率を1〜3%の範囲に収めることを目標とし、量的緩和(国債などを買って市場に資金を供給)や量的引き締め(保有資産を減らし資金を吸収)も用いる。原油はカナダ最大の輸出品で、価格の上下が通貨や貿易収支に影響しやすい。
Policy Divergence And Macro Drivers
主因は、カナダ中銀と米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策の違い(政策の方向性が異なること)にある。FRBは夏場にかけて政策金利を据え置く可能性を示している。一方、カナダの2026年1〜3月期GDP成長率が0.2%にとどまったことを受け、カナダ中銀は6月利下げの可能性を示唆している。この政策差がUSD/CADを押し上げる圧力となっている。
さらに、世界需要への懸念からWTI原油(米国産原油の代表指標)価格は3月の1バレル85ドル超から、先週は78ドル近辺へ低下した。加えて先週金曜日の雇用指標では、カナダの雇用者数増加が5,000人と低調で市場予想を下回った一方、米国の非農業部門雇用者数(NFP、農業を除く雇用者数)は24万人と強い結果となった。両国の景気の差が改めて意識されている。
この状況を踏まえると、デリバティブ(先物・オプションなどの金融商品)取引では、USD/CAD上昇局面で利益を得やすい戦略が選択肢となる。7月満期で権利行使価格1.3900近辺のコールオプション(一定価格で買う権利)の購入は、損失を限定しつつ上昇余地を狙う手段。ブル・コール・スプレッド(コールを買い、より高い権利行使価格のコールを売ることでコストを抑える戦略)も、緩やかな上昇を想定したポジション構築に使える。
注目水準は1.3700近辺で、重要な下値支持とみる。この水準を明確に下回る状態が続けば、強気見通しの見直しにつながり、買い持ち(ロング)を減らすサインとなり得る。現時点では、この水準への下押しは買い場となる可能性がある。