米国のRealClearMarkets/TIPP経済楽観指数は5月に42.6へ上昇した。市場予想の42を上回った。
同指数は、楽観と悲観の分かれ目とされる50を下回ったままだ。5月は上昇したものの、消費者心理は依然として弱い水準にとどまることを示す。
経済楽観指数はなお中立を下回る
5月の経済楽観指数は42.6となり、予想を小幅に上回ったが、消費者の慎重姿勢は明確だ。これは景気の強さを示す材料ではなく、「悪化のスピードが想定ほど速くないかもしれない」ことを示唆するにとどまる。市場では、足元の下落不安をやや和らげる「想定ほど悪くない」データとして受け止められやすい。
短期の相場変動の大きさを売る戦略(ボラティリティ売り)を検討したい。今回の統計は、当面の株価に下支えを与える可能性があるためだ。VIX(S&P500の「予想される値動き」を示す指数)が足元で18前後にある中、主要株価指数でアウト・オブ・ザ・マネーのプット(権利行使価格が現値より低い売る権利)を売ることで、短期の急落リスクが高くないとの見方に基づき、オプション料(プレミアム)を得る狙いがある。2025年後半に景気後退懸念が後退した局面で、ボラティリティ(値動きの大きさ)が急低下したことがあったが、今回は小規模ながら似た局面になり得る。
ただ、この指標だけで米連邦準備制度理事会(FRB)の判断が大きく変わる可能性は低い。4月の雇用統計では非農業部門雇用者数が19万人増となり、労働市場の引き締まり(人手不足による賃金押し上げ圧力が残る状態)が続いていることが示されたためだ。一方で、市場が第3四半期に織り込んでいた大幅な利下げ(政策金利の引き下げ)の確率はやや低下し得る。金利デリバティブ(将来の金利に連動する先物・スワップ・オプションなど)のポジションは、FRBが「ややタカ派」(インフレ警戒で利下げに慎重)姿勢を少し長く続ける想定に合わせて調整したい。
前月のコアPCE(食品・エネルギーを除いた個人消費支出物価指数)が2.9%と高止まり(下がりにくい状態)したことと合わせると、景気は鈍いが底堅い(大崩れしにくい)という見方を補強する。こうした環境では、強い上昇・下落の一方向の動きよりも、一定の範囲で動く相場(レンジ相場)を前提とする戦略が合いやすい。例えばSPX(S&P500指数)でのアイアン・コンドル(コールとプットの「売り」と「買い」を組み合わせ、一定範囲内に収まれば利益を狙うオプション戦略)は、今後数週間で機能しやすい。