米国のISM非製造業(サービス業)雇用指数は4月に48へ上昇した。前月は45.2だった。
指数は依然として50を下回っている。50割れは、サービス業で雇用の増加が弱い(雇用活動が縮小している)可能性を示す。今回は上昇しており、雇用の悪化ペースが4月に鈍化したことを示唆する。
Fed Policy Implications
ISMサービス業の雇用指数は48まで改善した。なお50未満のため雇用の縮小は続くが、雇用減少のペースが落ちた点は重要だ。これにより、米連邦準備制度理事会(FRB)は短期的に利下げ(政策金利の引き下げ)を急ぐ必要性が小さくなる。今後数週間のFRBの発信は、より引き締め寄り(タカ派=利下げに慎重)になりやすい。
市場では年後半の利下げ見通しが後退し、少なくとも1回の利下げが織り込まれにくくなる可能性がある。そこで金利先物(将来の金利水準を反映する先物)に連動するオプション(一定価格で売買する権利)に注目したい。米国債先物(Treasury Note futures、ZN)でプット(売る権利)を買うのは、「金利が高止まり=利回りが高い状態が続く」局面への備えとして妥当だ。これは、底堅い経済指標が利下げ開始を遅らせた2025年後半の市場反応に似ている。
株価指数では、「想定より悪くない」材料が、急激な景気悪化リスク(テールリスク=発生確率は低いが影響が大きいリスク)を短期的に和らげる。S&P500ではアウト・オブ・ザ・マネー(現状より不利な行使価格)のプットを売る戦略(プレミアム=オプション料の受け取りを狙う)に妙味が出やすい。VIX(S&P500の予想変動率=市場の不安感の指標)が最近、今年2月以来初めて18を下回ったことで、プレミアムは薄いが、景気後退懸念の後退から収益機会は残る。直近の新規失業保険申請件数も3週連続で減少し21.5万件となっており、労働市場の底堅さを示している。
金利見通しの変化は米ドルの追い風になりやすい。特に、中央銀行が緩和寄り(ハト派=利下げに前向き)な通貨に対して、ドル高が進みやすい。対応策としては、米ドル指数(DXY=主要通貨に対するドルの強さを示す指数)のコール(買う権利)を買う戦略がある。DXYは直近1カ月で1.5%上昇している。