中東での攻撃再燃とFRB追加利上げ期待の高まりでドル高進行、EUR/USDは下押し圧力

    by VT Markets
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    May 5, 2026

    ユーロは月曜日、中東で攻撃が再び起きたとの報道を受けて対米ドルで下落した。EUR/USDは1.1690近辺で推移し、前日比で約0.25%安となった。

    米ドル指数(DXY、主要通貨に対するドルの強さを示す指数)は98.47前後で推移し、週末の反発(直近2週間の安値付近からの戻り)を引き継いだ。アラブ首長国連邦(UAE)が、4月上旬の不安定な停戦以降で初めてイランから攻撃を受けた。

    中東情勢の再緊迫

    ドローン攻撃(無人機による攻撃)の後、フジャイラの石油関連施設で火災が報じられた。英国軍は、UAE沿岸沖で貨物船2隻が炎上していると発表した。

    イランのファルス通信は、革命防衛隊(IRGC、イランの準軍事組織)による警告があったとされる中、ジャスク近海で米海軍艦艇にミサイル2発が命中したと伝えた。一方、Axiosによれば、米当局者は米艦艇への被弾を否定した。

    テヘラン(イランの首都)は、トランプ米大統領が「プロジェクト・フリーダム」と呼ぶ海軍任務を発表した後、ホルムズ海峡周辺での動きと関連づけられている。この任務は、水路(主要な海上輸送ルート)で足止めされた船舶の安全な航行を支援することを目的とする。

    原油価格には地政学リスクの上乗せ(不安定要因を織り込んだ価格の割増)が残っている。エネルギーコストの上昇は物価上昇(インフレ)を押し上げ、各国の中央銀行が金融引き締め(高金利を維持する政策)を続けやすくする。

    金利見通しと変動の見通し

    CMEのFedWatch(先物市場から利上げ・利下げ確率を推計する指標)では、米国が12月に利上げ(政策金利の引き上げ)を行う確率が約33%とされ、1週間前のほぼゼロから上昇した。市場ではECB(欧州中央銀行)が少なくとも2回利上げするとの見方が織り込まれつつあり、焦点は金曜日の米雇用統計(非農業部門雇用者数、NFP:農業分野を除く雇用者数の増減を示す重要指標)に移っている。

    ユーロは対米ドルで重く、EUR/USDは1.0750近辺で推移している。バブ・エル・マンデブ海峡で船舶への攻撃が再燃し、投資家が安全資産(リスク回避局面で買われやすい資産)として米ドルへ資金を移したためだ。米ドル指数(DXY)は104.50を上回って底堅く、ドル高が広がっている。こうした状況は、リスク資産(株式など、景気や市場心理に左右されやすい資産)に逆風となり、過去の地政学リスクの高まり局面を思い起こさせる。

    この動きは、2025年にホルムズ海峡で米国とイランの緊張が高まった際と似た流れだ。当時も、地政学リスクの上乗せが市場に織り込まれ、ドル高が進んだ。こうした局面では、エネルギー輸入への依存度が高い欧州の構造から、ユーロよりドルが選好されやすい点に注意が必要だ。

    影響はエネルギー市場で特に目立つ。北海ブレント原油(欧州で指標となる原油価格)はこの2週間で8%上昇し、1バレル92ドルを超えた。この上昇はインフレ見通しを難しくしている。米国のコアCPI(価格変動の大きい食料・エネルギーを除いた消費者物価指数)は3.6%と高止まりしており、物価上昇が粘着的(下がりにくい)であることを示す。これにより、年後半の金融政策の見通しを見直す動きが強まっている。

    この状況では、FRB(米連邦準備制度理事会)が近く利下げ(政策金利の引き下げ)に踏み切る可能性は低い。先物市場では、9月に利上げとなる確率が40%程度と示唆されている。ECBは、同様にインフレ圧力に直面する一方で、域内GDP成長率がほぼゼロ近辺にとどまっており、より難しい局面にある。

    こうした環境下では、デリバティブ(株式・為替・金利などを元にした金融派生商品)取引では、変動が大きくなる(ボラティリティ上昇)ことを前提に備える必要がある。EUR/USDの1カ月インプライド・ボラティリティ(オプション価格から逆算される予想変動率)はすでに9.5%へ上昇しており、オプション(一定価格で売買する権利)の価格は上がりやすい一方、ヘッジ(価格変動リスクを抑える手段)としての価値も高まる。ユーロ安に備えるなら、EUR/USDのプットオプション(下落に備える売る権利)を買う、またはプットスプレッド(複数のプットを組み合わせ、コストと損失上限を抑える手法)でコストを抑えつつリスクを限定する方法が考えられる。

    市場のリスク回避(リスクオフ)姿勢が続く限り、EUR/USDの上昇は抑えられやすい。紅海周辺での緊張緩和が明確になるまで、地域の報道に注意が必要だ。前向きな進展が出れば、相場が急反転する可能性がある。また、金曜日の米雇用統計は、FRBの次の判断を左右する重要材料となる。

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