TD証券のエコノミスト、ロバート・ボス氏とエマ・ローレンス氏は、カナダの3月の国際商品貿易(モノの輸出入)収支が15億カナダドルの赤字になると予測した。前月の57億5,000万カナダドルの赤字より赤字幅が縮小する見通し。
この予測は、エネルギー価格の上昇と自動車生産の増加を背景に輸出が強まる、という見立てに基づく。WTI(米国の代表的な原油価格指標)は前月比で40%上昇した。一方、非エネルギー輸出(エネルギー以外の品目の輸出)は、伸びが小さいと見込まれている。
4月については、雇用者数が3月の1万4,000人増に続き、5,000人増えると予想する。失業率は6.7%で横ばいの見通し。
賃金の伸びは前年比4.8%と見込まれ、伸び率は0.3ポイント鈍化する予想。この記事は、AI(人工知能)ツールの支援を受けて作成され、編集者が確認したと記されている。
2026年5月4日現在、昨年と似た流れが再び見られる。WTI原油は1バレル85ドル超で落ち着いており、カナダ統計局が公表した3月の貿易統計では、商品貿易収支が11億カナダドルの黒字となり、市場予想を上回った。エネルギー部門の強さがカナダドルの下支え材料になっている。
一方、雇用情勢は別の姿を示し、緊張を生んでいる。先週金曜日に発表された4月の雇用統計は市場の期待を下回り、雇用者数は1万5,000人の純減だった。失業率は2年ぶりの高水準となる6.8%へ上昇し、カナダ中銀に対し金融緩和(利下げなど景気下支えの政策)を検討する圧力が強まっている。
貿易の強さと雇用の弱さの食い違いは、今後数週間のカナダドル相場の値動きが大きくなりやすいことを示す。トレーダーは、USD/CAD(米ドル/カナダドル)が大きく動く局面に備え、ストラドルやストラングル(オプション取引で、方向は問わず値動きが大きいほど利益になりやすい組み合わせ)を買う戦略を検討すべきだ。市場は、カナダ中銀が輸出主導の強さを重視するのか、国内雇用の悪化を重視するのか、判断が割れている。
次の焦点は、6月5日のカナダ中銀の政策金利発表。インプライド・ボラティリティ(オプション価格に織り込まれた将来の変動の大きさの見通し)は、同日以降に期限を迎えるカナダドル関連オプションで上昇しており、不確実性の高まりを反映している。特定の方向に賭けるより、変動率の上昇で有利になりやすい戦略の方が、今後数週間は堅実だ。
カナダ国債先物にも注目が集まる。雇用統計の弱さを受け、今夏の利下げ観測が強まり、市場では7月までに利下げが行われる確率を約60%と織り込む。2年物カナダ国債先物のコールオプション(一定価格で買う権利)を買うことは、こうした政策転換の可能性に備える手段になり得る。