AUD/USDは週明け月曜日後半に予定されるオーストラリア準備銀行(RBA)の政策決定を前に、0.7190近辺で慎重な値動きとなった。市場ではRBAが0.25%ポイント(25bp、1bp=0.01%)の利上げを3会合連続で実施し、政策金利(オフィシャル・キャッシュ・レート)を4.10%から4.35%へ引き上げるとの見方が優勢だ。
豪ドルは金融引き締め観測が下支えしたが、決定内容と今後の見通し(ガイダンス)を見極めたいとの姿勢から動きは限定的だった。全体のリスク心理も、イランが米軍のボートを攻撃したとの報道と、その否定情報が交錯するなかで不安定だった。
注目のテクニカル水準
4時間足ではAUD/USDは0.7175前後。20期間の単純移動平均線(SMA、一定期間の終値平均)がおよそ0.7175にあり、相場はその近辺で推移した。さらに100期間SMA(0.7151)もわずかに上回っている。一方、RSI(相対力指数、買われ過ぎ・売られ過ぎを示す指標)は48近辺で、勢いは強くない。
上値抵抗は0.7195、上抜けた場合は0.7200が意識される。下値支持は0.7175、0.7174、0.7168。次の重要な下値の目安は100期間SMAの0.7151となる。
金融政策の方向性の違いと市場への影響
豪インフレはピークから大きく鈍化し、直近四半期のCPI(消費者物価指数)は3.1%だった。ただし、RBAの目標レンジである2〜3%をなお小幅に上回っており、追加利下げの時期は読みづらい。こうした不透明感が値動きの荒さにつながりやすい。デリバティブ(金融派生商品、株価・金利・為替などを元にした取引)市場では、この政策の迷いが織り込まれ、予想外の指標で急変動が起きる余地がある。
リスク選好の弱さという構図は続くが、焦点は中東から南シナ海の緊張へ移っている。こうした不安は米ドルの「安全資産」としての需要を支え、豪ドルのようなリスクに敏感な通貨には逆風となりやすい。情勢の落ち着きが明確になるまでは、AUD/USDの戻りは売りに押されやすい。
RBAの政策見通しが定まらず、米ドルが底堅い中で、AUD/USDのインプライド・ボラティリティ(オプション価格から逆算される予想変動率)が上昇している。CBOEのAUDボラティリティ指数は9.5近辺で推移。方向に関係なく「動き」そのものから収益を狙う戦略が使いやすい環境で、ストラドル(同じ権利行使価格のコールとプットを同時に買う)やストラングル(異なる権利行使価格のコールとプットを同時に買う)で、レンジ離れに備える選択肢がある。
方向性の見方がある場合でも、オプション(一定価格で売買する権利)を使えば損失を限定できる。金利差(米豪の政策金利の開き)が豪ドルの重しになると見るなら、AUD/USDのプットオプション(売る権利)を買うことで下落を狙える。この場合、最大損失は支払ったプレミアム(オプション代金)に限定され、急なセンチメント変化への備えになる。