原油価格の上昇は、長期にわたり弱含んでいたカナダドル(CAD)を下支えしてきた。ただし、この支えは一時的で、カナダの実体経済(物価上昇を除いた経済の強さ)が改善し、政策金利(中央銀行が景気・物価を調整するために設定する金利)を引き上げられる状況にならない限り、限定的だとされる。
USD/CAD(米ドル/カナダドル)は、9月末の予想水準付近で推移しているという。USD/CADは年前半に1.37との予想が維持されている。
USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定。北米の自由貿易の枠組み)の協議は7月に開始予定で、CADにとって不確実性(先行きが読みにくく相場が振れやすい要因)として挙げられている。カナダ経済は脆弱(景気が崩れやすい状態)とされ、通貨ペアの反落もなお起こり得るとする。
報告書は、カナダは米国よりもエネルギー輸出への依存度が高く、原油価格ショック(原油価格の急変)が起きた場合に影響が大きくなり得ると指摘する。また、両国経済の結びつきが強いため、CADが米ドル(USD)から独立して動くことはまれだとしている。
USD/CADの低下(米ドル安・カナダドル高)は年後半に限られる見通しとされる。これは、カナダ銀行(中銀)の利上げ時期がより明確になること、貿易交渉の完了と結び付けられている。