週初のAUD/USDは0.7200を上回る水準で持ち合い(方向感の乏しいレンジ取引)となっている。金曜日には2022年6月以来の高値を付け、その近辺で推移している。
豪準備銀行(RBA)の火曜日会合で利上げ(政策金利の引き上げ)観測が織り込まれており、豪ドルを下支えしている。一方で米国とイランの緊張が高まっており、安全資産(リスク回避局面で買われやすい通貨)とされる米ドルが買われ、上値を抑えている。
テクニカル見通しとモメンタム
4時間足では、直近で100期間指数平滑移動平均線(EMA=最近の価格に比重を置いた移動平均)から反発し、金曜日に0.7200のレジスタンス(上値抵抗)を上抜けて終えた。相対力指数(RSI=買われ過ぎ・売られ過ぎを測る指標)は62前後。移動平均収束拡散法(MACD=短期と長期の移動平均の差で勢いをみる指標)のヒストグラム(勢いの強弱を棒で示す部分)は小幅にプラス圏にある。
これらの指標は、3月下旬の安値から上向きの勢いが続いていることを示す。調整となれば、100期間EMA近辺の0.7137付近がサポート(下値支持)になり得る。そこを明確に下抜ければ、下落が深まる可能性がある。
RBAは年8回の定例会合で政策金利を決定する。一般に利上げは豪ドルの支援材料となり、据え置きや利下げは豪ドルに逆風となりやすい。
RBA会合を来週に控え、AUD/USDは0.6650近辺で推移している。前月の四半期インフレ指標で消費者物価指数(CPI=物価の代表的な指標)が3.9%となり想定より下がりにくかったことから、利上げの可能性が小幅に織り込まれている。市場は中銀の新たな見通しを待っており、材料待ちの状態だ。
イベントリスクに備えるオプション戦略
この局面は、2025年初めに利上げ期待で強気が優勢となり、0.7200を上回った当時の構図に似ている。あの時はRSIやMACDといったテクニカル指標が上昇を裏付けたものの、その後は世界的に米ドルが選好され、上昇が失速した。
足元でも米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレに慎重な姿勢を続けていることに加え、南シナ海の貿易摩擦が続き、米ドルは底堅い。豪州の失業率も4.1%に上昇しており、物価圧力があってもRBAが据え置きに傾く理由になり得る。強弱材料が併存し、方向を決め打ちしにくい。
RBAがタカ派(金融引き締めに前向き)に傾く意外性を見込む場合、権利行使価格(ストライク)0.6750程度の短期AUD/USDコールオプション(上昇時に利益が出やすい権利)を買う戦略が考えられる。これは損失が限定される手段で、支払うプレミアム(オプション代金)が最大損失となり、急落への耐性がある。
一方、RBAがハト派(引き締めに慎重)に傾く、またはリスク回避で米ドルが買われる展開を警戒する場合は、プットオプション(下落時に利益が出やすい権利)の購入が選択肢となる。0.6600の直近サポートを下回れば下げが加速する可能性があり、プットは備えや下落局面の取引手段となる。これは、RBAがインフレよりも弱含みの雇用環境を優先する可能性に備えるものだ。