米ドル指数(DXY)は、米ドルを主要6通貨に対して測る指標で、週明け月曜のアジア時間に98.20近辺で推移した。中東情勢の緊張を市場が見極める中、指数はおおむね横ばいだった。
トランプ米大統領は、ペルシャ湾内で立ち往生している一部の中立国船舶を、月曜からホルムズ海峡を通過するよう米国が誘導し始めると述べた。ブルームバーグは、必要に応じて米海軍艦艇が近くにとどまり、海峡での商船への攻撃を防ぐ支援にあたる可能性があると報じた。
ホルムズ海峡リスク
イラン当局者は、ホルムズ海峡での米国の行動は停戦合意違反として扱うと述べた。さらに、ホルムズ海峡とペルシャ湾は言葉だけで押し通せる場所ではないとも付け加えた。
市場は、金曜公表予定の4月の米雇用統計にも注目している。市場予想は、新規雇用者数が7.3万人、失業率が4.3%となっている。
米ドル指数(DXY)は104.50近辺で推移し、地政学リスクと今後の経済指標を見極める中で横ばいとなっている。ドルは「安全資産」(リスクが高まる局面で買われやすい資産)としての役割を試されている。こうした状況では、市場の「ボラティリティ」(価格変動の大きさ)が急に大きくなる可能性がある。
現在の状況は、過去のホルムズ海峡をめぐる緊張時と似た動きがある。紅海での船舶の通行障害が続き、スエズ運河の貨物量は前年より6割以上減っている。これにより、迂回で航路が長くなり輸送費も上がっている。情勢が悪化すれば「リスク回避」(危険を避けるため安全な資産に資金を移す動き)が強まり、ドル高につながりやすい。
注目すべき取引戦略
「デリバティブ」(株価指数や通貨などを基にした派生商品)を取引する投資家にとっては、地政学リスクの高まりによる上振れに備え、DXYや関連ETFのコールオプション(一定価格で買う権利)を検討する余地がある。2020年3月のコロナ初期の混乱では、DXYが2週間足らずで95から102超へ上昇した。VIXのコールオプションでのヘッジ(損失を抑えるための取引)も選択肢となる。VIXは「恐怖指数」(株式市場の不安が強いほど上がりやすい指標)と呼ばれ、市場の不安時に上昇しやすい。
また、金曜公表の4月米雇用統計は、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策見通しに強く影響する。市場では、雇用者数がおよそ17.5万人増、失業率は3.8%前後との見方がある。結果が大きく下振れすれば、利下げ前倒し観測が強まり、ドル安要因となり得る。
雇用者数が15万人を下回れば、短期的にドル安を狙う展開も考えられる。数週間以内に満期を迎えるDXYのプットオプション(一定価格で売る権利)での対応が一案だ。逆に20万人を超える強い結果なら、ドル高基調を支えやすい。