RBNZ(ニュージーランド準備銀行)のプラサナ・ガイ理事は月曜日、「先回り(予防的)引き締め(景気や物価が加速する前に、政策金利を上げて抑えにいくこと)」には、強い「同期(各国・各機関が同じ方向・同じタイミングで動く状態)」と、能動的な「調整メカニズム(方針をすり合わせて実行する仕組み)」が必要だと述べた。また、「自動的に引き締めに傾く(何もしなくても利上げ方向に偏る)」兆候はないという。
また、先回り引き締めが正当化されるのは、同期が強く、調整が機能している場合に限られるとした。さらに、現在の状況は、通常の枠組みの中で「ルック・スルー(短期的なブレや一時的要因をいったん見送り、基調を重視する運用)」を支持すると述べた。
Rbnz Signals Rates On Hold
執筆時点でNZD/USDは0.5910付近。日中で0.20%上昇していた。
今回の発言は、RBNZが当面、政策金利を据え置く可能性が高いことを示す。他方、FRB(米連邦準備制度理事会)は相対的に引き締め的な姿勢を維持する可能性があり、政策の方向性に差が出る。したがって、直近のNZドル高は売り場とみる。
ニュージーランドのOCR(公定歩合に相当する政策金利)が5.50%で据え置かれる一方、2026年1-3月期のインフレ率は3.6%となお高い。RBNZは動きづらい状況にある。これに対し米国はFF金利(政策金利の中心レンジ)が5.75%で、金利差(利回り差)が米ドルに有利だ。この金利差が資金を米国に引き寄せ、NZドル(キウイ)には基調として下押し圧力がかかる。
今後数週間は、NZD/USDの下落に備え、プット・オプション(一定の価格で売る権利)を買い、0.5800を狙う戦略が考えられる。さらに、アウト・オブ・ザ・マネーのコール(現水準より高い行使価格の買う権利)を売る(プレミアム収入を得る)ことで、上値が限られる局面を狙う方法もある。これらは、RBNZの慎重な「ルック・スルー」運用が為替の重しになり続けるという見方を反映する。
Policy Synchronization Matters Most
2025年には、中央銀行の「ピボット(政策転換。利上げから利下げ、またはその逆への方向転換)」観測が揺れ動き、相場が振り回された。過去の急速な世界的利上げ局面は、政策の同期が重要であることを示した。足元でその同期が欠けている点は示唆的だ。理事が言及したように、協調した引き締めを実行する仕組みが見当たらないことは、主要通貨に対するNZドル弱気見通しを裏付ける。