英CFTC(米商品先物取引委員会)のデータによると、英ポンドの非商業部門(ヘッジ目的ではなく投機を主とする投資家)のネットポジション(買い建てと売り建ての差し引き)は、-5.2万から-6.06万へ低下した。
これは、直近の報告期間において英ポンドのネットショート(売り越し)が拡大したことを示す。
投機筋のセンチメント(市場心理)は英ポンドに対して一段と弱気に傾いている。非商業部門のネットショートは-6.06万まで拡大し、英ポンド下落を見込む取引が増えていることを意味する。注目すべき変化だ。
背景には、英国のインフレ率(物価上昇率)が4月に予想外に3.5%へ上振れする一方、1-3月期のGDP(国内総生産)の伸びが0.2%と低迷したことがある。物価圧力が残るのに景気が弱い組み合わせは、英中銀(イングランド銀行)にとって難しい局面を作る。市場では、この夏の利下げ(政策金利の引き下げ)の確度が下がったとの見方が広がり、景気見通しの重しになっている。
オプション(あらかじめ決めた価格で売買できる権利)を使うデリバティブ(株や通貨などを元に作られた金融商品)取引では、英ポンド下落で利益を狙う戦略が選択肢となる。たとえばGBP/USD(英ポンド/米ドル)のプット(下落に備える売る権利)を買う、あるいはベア・プット・スプレッド(プットを買い、より安い行使価格のプットを売る組み合わせ)でコストを抑えつつ損失上限を明確にする方法がある。いずれも下落局面での収益機会を狙いながら、最大損失(最悪の場合の損)を限定しやすい。