オーストラリアのCFTC(米商品先物取引委員会)が公表する豪ドル(AUD)の非商業部門(投機筋)のネットポジションは、前回の6万4,800枚から7万1,900枚へ増加した。
前回から7,100枚増えた。
投機筋のロング増加が豪ドル見通しを下支え
豪ドルの投機筋ネットロング(買い越し)は再び増え、大口投資家が豪ドル高を見込む取引を積み増していることを示す。6万4,800枚から7万1,900枚への増加は、市場の見方が強気に傾いているサインだ。短期的にはAUD/USD(豪ドル/米ドル)に追い風になり得る。
背景の一つは、RBA(豪準備銀行)のタカ派姿勢だ。タカ派とは、インフレ抑制を重視し、利上げなど金融引き締めに前向きな姿勢を指す。豪州の1-3月期インフレ率が市場予想を上回る3.8%となり、RBAの引き締め継続観測を支えている。一方、FRB(米連邦準備制度理事会)は利上げ局面の終盤に近いとの見方がある。こうした「金利差(国ごとの政策金利の差)」の拡大は、相対的に豪ドル保有の魅力を高めやすい。
また、主要商品市況の底堅さも豪州に有利だ。商品相場は豪州の交易条件(輸出価格と輸入価格の比率)に直結し、豪州経済を支えやすい。鉄鉱石は1トン当たり115ドル超で底堅く推移しており、昨年の安値圏から改善している。こうしたファンダメンタルズ(景気・物価・金利などの基礎的条件)が、投機筋の強気姿勢を後押ししている可能性がある。
足元の強気ポジションは、2025年後半に見られた弱気ムードとは対照的だ。当時は中国景気減速懸念が重しとなり、AUD/USDは大きく下押しした。現在は、少なくとも短期ではそうした不安が後退していることを示唆する。
取引戦略としては、押し目買いが選択肢になり得る。リスク管理の手段として、コールオプション(あらかじめ定めた価格で買う権利。下落時の損失を限定しつつ上昇の利益を狙いやすい)を使う方法もある。ただし、ロングが積み上がると「混雑したポジション(参加者が同じ方向に偏った状態)」となり、悪材料が出た際に一斉解消で急落しやすい点には注意が必要だ。
今後の主なリスク要因
米国の経済指標、とりわけ雇用とインフレのデータを注視したい。想定以上に米経済が強い兆しが出れば、米ドル高が再燃し、AUD/USDが急反落するリスクがある。これは足元の強気見通しに対する最大のリスク要因となる。