2026年3月期(四半期)において、アグニコ・イーグル・マインズの売上高は41億ドルとなり、前年同期比66.1%増だった。1株当たり利益(EPS、発行済み株式1株当たりの利益)は3.40ドルで、前年同期の1.53ドルから増加した。
売上高はザックスの市場予想(コンセンサス)である38.4億ドルを上回り、予想比6.68%の上振れとなった。EPSも予想の3.19ドルを上回り、予想比6.58%の上振れだった。
主要な価格と数量のポイント
実現銀価格(実際に販売した銀の平均価格)は1オンス当たり83.90ドルで、予想の80.13ドルを上回った。実現金価格(実際に販売した金の平均価格)は1オンス当たり4,861.00ドルで、予想の4,613.59ドルを上回った。
支払対象の金生産量(精錬会社などへの支払い対象となる確定数量)は825,109.00オンスで、予想の834,858.80オンスを下回った。ヌナブト準州メリアディン鉱山の販売金量は77,250.00オンスで、予想の96,352.39オンスを下回った。
鉱山別の売上高では、ケベック州ラロンドが4億193万ドル(予想3億4,137万ドル)で前年同期比83.2%増。ケベック州カナディアン・マラルティックは7億5,485万ドル(予想6億4,497万ドル)で同78.9%増となった。
鉱山別売上高の概要
ケベック州ゴルデックスは1億6,654万ドル(予想1億3,831万ドル)で同73.5%増。ヌナブト準州メリアディンは3億7,659万ドル(予想4億3,501万ドル)で同45.8%増となった。
メキシコのピノス・アルトスは1億2,227万ドル(予想9,990万ドル)で同113.4%増。フィンランドのキッティラは2億5,190万ドル(予想2億4,832万ドル)で同56.4%増だった。
オンタリオ州デトゥール・レイクは9億4,423万ドル(予想7億6,046万ドル)で同112.7%増。オンタリオ州マカッサは3億644万ドル(予想3億2,749万ドル)で同30%増となった。
今回の決算では、売上高の大幅な上振れは、生産量よりも実現金価格の上昇が主因だった。1オンス当たり4,861ドルという水準は市場予想を大きく上回る。これは同社株が金価格に対して高い連動性を持つ「レバレッジ効果のある投資対象」(価格変動が増幅されやすい銘柄)として機能していることを示す。
足元の市場環境もこの見方を支える。6月限の金先物(将来の受け渡しを約束する取引)は1オンス4,900ドル近辺で高止まりしている。背景には、最新の消費者物価指数(CPI、物価上昇率を示す指標)でインフレ率が4.1%と高止まりしていることがある。こうした局面では、実物資産(現金より価値が目減りしにくい資産)への需要が強まりやすい。
このような環境を踏まえると、直近数週間はアウト・オブ・ザ・マネーのプット売り(権利行使価格が現在株価より低い売る権利を売り、プレミアム=受取代金を得る手法)がプレミアム獲得策として有効に見える。好決算は株価の下支え要因になりやすい。一方で金生産量はわずかに予想を下回っており、過度な上昇を抑える材料にもなり得るため、バランスの取れた戦略となる。
より上昇方向に狙いを定めるなら、ブル・コール・スプレッド(安い権利行使価格のコールを買い、高い権利行使価格のコールを売ってコストを抑える戦略)が費用対効果の高い選択肢となる。デトゥール・レイクのような高い利益率が見込める事業で、売上高が予想を24%超上回った点を市場が評価すれば、上値余地を取りにいける。スプレッドを用いることで、単純なコール買いよりも初期コストを抑えつつ、リスクも限定できる。