英国のネーションワイド住宅価格(季節調整なし)は4月、前年同月比3%上昇した。
市場予想(2.2%)を上回った。
英中銀(Bank of England)金融政策への影響
予想を上回る英国の住宅価格上昇(3%)は、景気の底堅さを示す。英中銀は、利下げが物価上昇(インフレ)を再び強めることを警戒しているため、近い時期の利下げは起こりにくくなる可能性がある。今後の会合では、金融引き締めに前向きな「タカ派(利上げ・高金利を支持しやすい姿勢)」寄りの見方が強まりそうだ。
今回の住宅指標だけで判断はできない。3月の英国CPI(消費者物価指数。一般家庭が買う品目の価格の動きを示す物価指標)も2.8%と高止まりし、目標の2%を上回った。加えて英中銀統計では、住宅ローン承認件数が2年ぶり高水準の6万5,000件に増加した。これらは、景気の基調的な需要が弱くないことを示唆する。
この状況を受け、短期金利先物(STIR先物。将来の短期金利水準を取引する先物)に注目が集まる。市場は、2026年後半に見込んでいた利下げの一部を織り込みにくくなる可能性がある。具体的には、SONIA先物(Sterling Overnight Index Average先物。英ポンドの翌日物金利の指標に連動する先物)を売る戦略が考えられる。金利見通しが上振れると、先物価格は下がりやすい。
金利見通しの上方修正は、英ポンドの魅力を高めやすい。特に、より「ハト派(利下げ・低金利を支持しやすい姿勢)」な中央銀行を持つ通貨に対して、相対的に買われやすくなる可能性がある。英ポンドのコールオプション(一定の価格で買う権利。上昇局面で利益を狙い、損失を限定しやすい)を、特に対ユーロで検討することで、数週間程度のポンド上昇に備える形が考えられる。上昇の利益を狙いつつ、リスクを明確にできる。
2022〜2023年の高インフレと、その後の急速な利上げを踏まえると、英中銀はインフレ対応の遅れを避けようとする可能性が高い。過去の経験から、政策を「長く引き締め気味(高金利を維持しやすい)」に保つ方向に傾きやすい。