AUD/USDは木曜日に0.7200台を上回り、米ドルが7日ぶり安値を付けたことで1%超上昇した。日中安値0.7110から反発。日本の為替市場での介入(通貨当局が売買で相場に影響を与えること)が米ドルの重しとなった。
米ドル指数(主要通貨に対する米ドルの強さを示す指数)は0.91%下落し、98.00付近へ。USD/JPY(米ドル/円)はアジア〜欧州時間に400pips超下落した。Reutersによると、日本は木曜日に円安是正のための介入を実施した。約2年ぶりの公式な介入とされる。
米指標とインフレの更新
米国の指標では、2026年1〜3月期(第1四半期)の成長率が2%となり、市場予想の2.3%を下回った。AI(人工知能)とデータセンター関連の投資は17.2%増となり、2025年10〜12月期(第4四半期)の4.3%増から伸びが拡大した。
コアPCEデフレーター(FRBが重視する物価指標。食品とエネルギーを除いた個人消費支出の物価)は3月に前年比3.2%上昇し、前月の3%から加速。約3年ぶりの高水準となった。新規失業保険申請件数(失業の増減を示す週次指標)は4月25日終了週で18.9万件と、予想の21.5万件を下回った。
豪州のCPI(消費者物価指数)は2026年1〜3月期に4.1%超へ上昇し、前期の3.6%から加速。次はPPI(生産者物価指数。企業の販売段階の物価)発表が控える。市場では、RBA(豪準備銀行)が5月5日に政策金利を4.35%へ引き上げる確率を70%と織り込んでいる。
AUD/USDは0.7201。下値支持線(サポート。下げ止まりやすい水準)は0.7074、続いて0.7059付近。RSI(相対力指数。買われ過ぎ・売られ過ぎを測る指標)は61近辺。上値抵抗線(レジスタンス。上げが止まりやすい水準)は0.7558、0.7858付近とされた。
RBA会合と取引の考え方
5月5日のRBA会合を前に、市場は政策金利の4.35%への引き上げを高い確度で織り込んでいる。直近の豪CPIが4.1%へ上振れしたことは、その見方を支える材料だ。短期のAUD/USDコールオプション(将来、あらかじめ決めた価格で買う権利)を活用し、上昇局面を狙いつつリスクを限定する方法が考えられる。
ただし、米ドルの底堅さには注意が必要だ。コアPCEが3.2%と約3年ぶり高水準で、FRBがタカ派(利上げに前向きな姿勢)を維持しやすい。来週の米ISM製造業景況指数(製造業の景気を示す代表的な指数)が強ければ、米ドルの下落が巻き戻る可能性があるため、豪ドルの買い持ち(ロング)には防御が求められる。
AUD/USDが0.7200を上抜けたことで、オプション市場のインプライド・ボラティリティ(市場が見込む将来の変動の大きさ)が上昇している可能性がある。この場合、ブル・コール・スプレッド(安い権利行使価格のコールを買い、高い権利行使価格のコールを売る。コストを抑える戦略)が有効になりやすい。テクニカル面で示された次の抵抗線0.7558付近を目標に、設計することも可能だ。