中国の4月のPMI(購買担当者景気指数)統計では、製造業が拡大(50超)を維持した。AI(人工知能)関連の輸出需要が下支えした一方、国内需要は労働節(メーデー)連休前に弱含んだ。全体の物価上昇圧力は抑制されたが、製造業では原材料価格と生産者価格(企業が出荷する段階の価格)が高止まりした。
CFLP(中国物流購買連合会)の製造業PMIは4月に50.3(ブルームバーグ予想50.1)となり、3月の50.4から小幅低下したものの、2カ月連続で50を上回った。民間のRatingDog中国製造業PMIは50.8から52.2(ブルームバーグ予想51.0)に上昇し、5カ月連続で50超、2020年12月以来の高水準となった。
製造業の堅調さと国内需要の弱さ
非製造業は悪化し、CFLP非製造業PMIは4月に49.4(ブルームバーグ予想49.8)と、3月の50.1から0.7ポイント低下した。サービス業は50.2から49.6へ低下し、建設業は49.3から48.0へ下落した。販売価格指数(企業が提示する販売価格の動き)も49.9から48.1へ低下し、新規受注と輸出受注も弱かった。
工業企業利益は26年1~3月期に前年比15.5%増(3月:15.8%、1~2月:15.2%増)となった。非鉄金属、化学、通信で増益がみられた一方、3月は医薬品、自動車、汎用機械の製造で減益となった。
製造業の強さと国内需要の弱さが並存する状況を踏まえると、この差を生かす戦略が重要になる。製造業PMIが50.3で底堅い背景には、海外のAI関連需要がある。輸出主導で製造業が先行し、内需が遅れる「二つの速度の景気」が示唆され、慎重に絞った対応が求められる。
中国の産業活動に連動しやすい商品(コモディティ)では、非鉄金属に注目したい。1~3月期の工業利益が15.5%増と堅調で、民間PMIも強いことから、銅やアルミニウムの先物(将来の価格で売買する契約)を買い持ちする戦略が妥当とみられる。LME(ロンドン金属取引所)の銅価格はこの動きを織り込み、直近1カ月で8%超上昇してトン当たり1万0500ドルを上回り、25年初以来の水準となった。
株式デリバティブ(株価指数やETFなどを対象にした派生商品)では、ペアトレード(相対的に強い対象を買い、弱い対象を売る/下落に備える組み合わせ)が適している。素材や通信に投資するETFのコールオプション(一定価格で買う権利)を買い、同時に一般消費財(裁量的消費)や自動車株の比率が高いETFのプットオプション(一定価格で売る権利)を買う組み合わせが考えられる。FTSE中国A50指数が上値を伸ばしにくいのは、輸出の強さがある一方で国内消費の弱さが相殺しているためだ。
人民元はレンジ相場、オプション重視
人民元は方向感よりもレンジ相場(一定の範囲で上下する動き)になりやすい。輸出受注の強さは支えになる一方、サービス業PMIが49.4と弱く、今後の金融緩和の可能性も下押し圧力となる。オフショア人民元(中国本土外で取引される人民元)のUSD/CNHは、数週間にわたり7.28~7.32の狭い範囲で推移しており、ストラングル(同じ満期でコールとプットを組み合わせ、値動きが小さいと利益になりやすい戦略)など、オプションを売る戦略に向きやすい。
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