コメルツ銀行によると、世界の銅市場の供給過剰(生産量が需要を上回る状態)は今年最初の2カ月で約30万トンに拡大した。生産が増えた一方で需要が伸びなかったためで、前年同期より10万トン超大きい。
需要は1月に小幅増となったが、2月は減少した。2月の銅価格は1トン当たり約1万3,000ドルで推移し、前年同月比で約40%高かった。
同行は、2月の需要減の背景に高い価格水準があるとした。加えて、直近の急騰と高止まりするエネルギーコスト(企業の電力・燃料費)が、短期的な上昇余地を抑える可能性があると指摘した。
今年最初の2カ月で供給過剰は約30万トンに拡大し、前年より大きく増えた。実需(実際の工場・建設などで使われる需要)が生産に追いついておらず、これが価格の上値を抑える要因になっている。こうした状況は、取引所の在庫にも表れている。
ロンドン金属取引所(LME:金属の先物取引が中心の国際的な取引所)のデータでも、在庫(保管され市場に供給可能な金属)が今月に入って15%増え、15.5万トンと6カ月ぶりの高水準に達した。在庫増は「供給に余裕がある」ことを示し、急激な値上がりが行き過ぎだった可能性を示唆する。短期的には価格が横ばい、もしくは下向きになりやすいとの見方につながる。
2月の高値圏(約1万3,000ドル/トン、2025年初め比で約40%高)は、消費を抑えたとみられる。中国の最新の製造業PMI(購買担当者景気指数:50が景気の分かれ目)も50.1とぎりぎりで、最大消費国である中国の需要の勢いが鈍っていることを示す。価格上昇が需要を冷やす動きは、追加の上昇にとって大きな逆風となる。
この状況を踏まえると、今後数週間は価格が横ばい、または小幅下落する局面で利益を狙う戦略が選択肢となる。例えば、アウト・オブ・ザ・マネーのコールオプション(現時点の価格より高い行使価格で買う権利)を売る、あるいはベア・コール・スプレッド(上昇局面で利益が出にくいよう、異なる行使価格のコールを組み合わせてプレミアムを得る方法)を先物(将来の売買価格をあらかじめ決める契約)で組む手法がある。価格が横ばい、またはじり安となれば、オプションの受取額(プレミアム)が収益になり得る。
ブレント原油(国際指標となる原油価格)が1バレル95ドル超で推移するなど、エネルギーコスト高の不透明感は続いている。これは工場などの需要家の負担を増やし、先行きの需要見通しを弱める要因だ。こうした環境では、プットオプション(一定価格で売る権利)による保険(ヘッジ)も検討対象となる。世界の成長指標がさらに鈍化し、価格調整(下落)が大きくなる場合に備える狙いがある。