GBP/JPY(英ポンド/円)は216.60まで上昇した後に伸び悩み、約215.60へ下落した。日本の財務相である片山サツキ氏が為替市場への介入(当局が為替相場に直接関与し、急な円高・円安を促すこと)の可能性について口先介入(言葉で市場をけん制し、相場に影響を与えること)を行い、円が強含んだことが背景だ。
ロイターによると、片山氏は木曜日の欧州時間に、日本は外国為替市場で決定的な行動を取ることに近づいていると述べた。日銀が年内の追加利上げ(政策金利を引き上げること)の可能性を残しているにもかかわらず、円は弱い状態が続いている。
Bank Of Japan Holds Rates
火曜日、日銀は政策金利を0.75%で据え置き(変更しないこと)、予想通りだった。あわせて、金融政策は緩やかに引き上げ方向(段階的な利上げを示唆)となる見通しを示した。
英ポンドは、11:00GMTに予定される英中銀(イングランド銀行)の政策発表を前に、主要通貨に対して方向感が分かれた。市場では、政策金利を3.75%で据え置くとの見方が優勢で、票決は8対1(大半が据え置き、1人が別の意見)になると予想されている。
チーフエコノミストのヒュー・ピル氏が、利上げを主張する唯一の票を投じる見通しだ。ブルームバーグによると、同氏は物価上昇圧力(インフレ圧力)を抑え、2022年のインフレ急騰(物価が急に上がること)の再発を防ぐため、より引き締め的な金融環境(借り入れコストが上がり資金が回りにくくなる状態)が必要だと述べた。
日本の財務相による強いけん制は、当面のGBP/JPYの上値を抑える材料になりやすい。短期では216.00を上回る水準での買い持ち(ロング、上昇に賭けるポジション)は極めてリスクが高いという明確なシグナルとみる。2024年春の介入では、日本当局が数分で円を数円分押し上げ(円高に)られることが示され、多くの市場参加者の不意を突いた。
Bank Of England Decision Risk
本日の英中銀発表を控え、値動き(ボラティリティ、価格の振れの大きさ)は大きくなりやすい。サービス価格のインフレ率(サービスインフレ)が2026年初時点でも5%超と高止まりしているため、英中銀が想定以上にタカ派(利上げに前向き)な姿勢を示したり、利上げ票が増えたりすれば、ポンドが急伸する可能性がある。このイベントでは、GBP/JPYのストラドル(同じ満期・同じ権利行使価格でコールとプットを同時に買い、上か下の大きな変動で利益を狙う手法)を買う戦略が有効とみる。方向は問わず大きく動けば利益になりうるためだ。
目先の介入リスクに加え、日銀が利上げ方向を示したことは重要だ。長年続いた政策からの転換で、2025年秋に政策金利を0.50%へ引き上げた流れを引き継ぐものだ。金融引き締めに傾く姿勢(タカ派寄り)を踏まえると、GBP/JPYが上昇しても、中長期では戻り売り(上がったところで売ること)の好機となりやすい。
これらを踏まえると、今後数週間は、GBP/JPYのアウト・オブ・ザ・マネー(OTM、現状の水準から離れた権利行使価格で、すぐには利益になりにくい)コールを、権利行使価格217.00以上で売る戦略も選択肢となる。これは、介入けん制で大きな上昇が抑えられるとの見方を利用し、オプション・プレミアム(受け取る代金)を得る狙いだ。ただし、英中銀声明が想定以上にタカ派となり、円高要因を上回ってポンド高が進むことが主なリスクとなる。